川北英隆のブログ

バヌアツのカヴァを忘れて

バヌアツの記録を書き終えたはずだったのに、忘れたことがあることに気づいた。飲み物のことである。バヌアツで特徴的な飲み物にカヴァ(kava)がある。車で走ると、よくこの綴りの看板を見かける。
バヌアツの飲み物として、椰子の実のジュースを紹介した。
ビールはタスカー(イノシシの牙のことらしい)という地元醸造のビールがある。ラベルにイノシシが書いてある。
店屋では日本で普通の缶が200バツー、つまり200円少しくらい。現地価格としては高い。味は普通で、料理に合う。レストランでは500バツーする。日本と同じである。
ビール以外、レストランではワインを飲んでいた。オーストラリアが近いため、また日本のようにレストランがぼらないから、手軽に飲め、美味い。
それで、カヴァというと、普通はスペインの発泡ワインだが、バヌアツではこの地域特有の飲み物のことになる。「世界一不味い飲み物」とか、知り合いが評価していた。「それなら是非飲みたい」と覚悟してバヌアツに向かった。
看板やカヴァ・バーはよく見かけたものの、実際に飲んだのはゲストハウスでの最後の夜だった。ガイドが案内してくれた。ゲストハウスの裏の空き地に屋台のような小屋があり、そこで飲ませてくれた。
値段は、椰子の実を半分に割ったコップ1杯が、確か200バツーだったと思う。どぶろくのように濁っている。白濁しているというか、茶色っぽくもあるというか。味は、世界一不味いというのはともかく、美味くもない。飲むと、唇が少し痺れてくる。
その日、クレイグコーヴの港に白人が来ていた。友人数人と、ヨットでイギリスから来たとか。彼らはゲストハウスのおばちゃんと話し、その後、屋台でカヴァを飲んでいた。フィジーにもカヴァがあり、好みだとか。
カヴァはコショウ科の潅木が原料で、その根から作るらしい。極端に言えば麻薬の一種である(タバコもアルコールもそうだが)。
相棒の一人が、そのカヴァのせいかどうかは不確かなものの、その夜から体調を崩した。飲み慣れない物を飲むのはほどほどにということかも。

2017/09/04


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