昨日、東京に出たついでに、バミューダから日本に戻っていたET君と夕方に会った。場所は贔屓にしている神田明神下の左々舎である。この季節の料理は鱧である。
前にも書いたかも知れないが、鱧のコースは、鱧を中心とした八寸、吸い物、アンコウならぬ鱧の七つ道具?と湯引き、鱧すきなどが出てくる。松茸も入っている(値段からすると国産ではないはずだが、主人に質問はしていない)。これらは定番なので、落ち着いていただくだけだ。
そんな中、驚きがあった。料理が始まる前、「今日は重陽の節句の前日なので」と、菊の花を散らした日本酒をぐい飲みに一杯出してくれたことである。「そうなんだ」と、季節感を味わった。
実のところ、重陽の節句に菊とは知っていたが、日本でそれを祝う風習はあまりない。僕自身も取り立ててお祝いをした経験がない。ましてや、菊酒を味わうのは初めてである。
旧暦で祝えば菊の花も普通にあるのだろうが(温暖化で怪しいかな)、今の暦で9月9日は年によってはまだまだ暑い。幸い、昨日は多少秋めいていた。
今朝の新幹線での帰り、伊吹山が美しかった。陽光が斜めに当たり、伊吹の南斜面の草が少し黄色みを帯びて輝いていた。昨日の菊酒を思い出し、今年は順調に季節が進んでいると感じた。
2017/09/09