昨日、幽霊は出てこなかった。今となっては残念なような。それはともかく、昨日のセミナーの議論で一番印象に残ったのが、依然として男中心の日本企業を、女性がどのように観察し、評価しているのかだった。
僕として感じたのは、2人の女性パネラーが「日本の男性って、男がよく表現する"女の腐ったようなもの"そのものだ」と思っているだろうと。本音は確かめていないが。
要するに、日本の男は保身だけを考え(あわよくば、濡れ手で粟的な追加利得があるようにと)、発言し、行動している。
この男の行動パターンはよく理解できる。日本の国立大学の組織が典型である。何か建設的なことを発言すると、物理的な意味でだが天に唾したようなもので、自分の身にだけ負荷がのしかかり、働かされる羽目に陥る。それも無報酬(経済的インセンティブなし)である。とすれば、何も提案しないのが経済合理的な行動となる。
川本さんが言っていたが、要するに減点主義の会社組織にあっては、積極的に発言し、行動する具体的なインセンティブがない。
そうであっても、若者であれば自分の将来に関わることだから、積極的に発言し行動することに潜在的インセンティブがあるはずなのだが、残念ながら現在の風潮では、多くの場合、潜在的な利益にまで意識が及んでいない。
2人は、「そんなんで本当に男なのか」と言いたいのだろう。この点、女性の方が大胆だと、僕は日頃から思っている。
これを言うと2人に「差別だ」と怒られるかもしれないが、日本の女性は(とくに若い女性は)、終身的な再就職(つまり結婚)という選択肢を持っている。男性の場合、この点で女性よりもか弱い。
一方で、「失敗したらどうしょう、再就職できるかな」なんて心配するような男性に魅力がないのも事実である。2000年前後に大手銀行や証券会社が破綻し、もしくは破綻が懸念され、多くの人材が流出した。事実として、彼ら/(彼女はいたかな?)は、再就職し、たくましくなっている。世の中、そんなものだ。安泰のまま育ったのでは成長がない。モヤシみたいなものか。
能力さえあれば(能力さえ養っておけば)どうにでもなる。雇用する企業側も、この点を再度確認する必要に迫られている。能力に関して、男性はもちろん女性についても、企業としてきちんと評価しないといけない。
2人にとって、大学を卒業して就職する時代に総合職がなかった(あったとしても、それがどうしたという観点もあるだろう)。いかに就職活動時に糞味噌に言われ、就職後も差別されたのか、今は半分笑い話として喋っていた。そんな時代があり、それに対して本気で反発したから、今の2人があるのだろうが。
以上の見解、間違っていたら「ごめんなさい」である。いつか2人、もしくはどちらかに幽霊で出てこられたら本当に怖いので。
2017/09/27