東京の国際金融都市機能を強化しようとのプロジェクトが発足した。東京都の構想によると、「東京がアジア・ナンバーワンの国際金融都市として輝くためには」とある。「世界一」でないところが現実的な設定なのだろう。
以下、備忘録的な感想である。
この事業、兜町界隈の再開発と並行している。かつて株式取引の中心として賑わった兜町、今は地場証券会社がぽつぽつと残っている程度で寂しい。そこで、その地域の大地主である平和不動産が中心となり、昔のビルを取り壊し、新しいビルを建てようとしている。すでに一部で工事が始まりつつある。
このプロジェクトに関して、何年か前、意見を求められたことがある。何を言ったのか忘れたが、1つだけ覚えていることがある。それは兜町の最寄り駅、茅場町から日本橋に通じている地下道を、さらに東京駅から大手町方面へと延長して欲しいとのこと。
知る人ぞ知ることだが、100メートルくらいか、呉服橋交差点の下さえ工事すれば、すぐに地下道が茅場町まで通じる。この結果、地下だけで東京駅から茅場町に抜けられる。兜町の再開発には地の利も必要となる。
東京を国際金融都市にしようという構想、英語が国語でない日本にとって必要なのは、魅力的な投資先企業ではないのか。少なくとも日本にとって、企業と金融センターはセットである。今の日本の資金は愛国心が高いものの(日本からなかなか逃げないものの)、いつまでも日本に忠誠を誓うと考えるのは間違いである。やはり、資金を引きつけるものがないといけない。
アセットマネジメント会社の投資能力も魅力を高める1つの手段である。とはいえ、サラリーマン投資家の多い現状をどう変えられるのかが問題となる。
資金というか投資家を引きつけるものとして、東京だけでは限度がある。持論だが、日本が一丸となるべきだと思っている。この点、海外にとって魅力のある都市、京都を巻き込まないといけない。
最後に知事の去就である。知事が代わっても東京都の注力が続くのかどうか。
2017/10/06