比良にアプローチするため歩いていると、車道にアケビの実が落ちていた。落ちている実は熟れすぎている。でも、これは期待できると思った。
何を期待したのかは後でわかる。
登山道に入り、広葉樹の林の中を歩いていると、思っていたとおり、アケビの実を見つけた。それも背伸びすれば取れる場所にある。あまりなっていなかったが、3つ収穫できた。
両親は田舎の生まれだから、アケビの実は甘くて美味いとよく聞かせてくれた。実際はと言うと、白い果肉は確かに甘いのだが、そのすぐ下に黒い種があり、食べられる部分はほとんどない。
もう20年以上前だろうか、甲府の近くのヤブ山でアケビを大量に見つけた。何個か取って帰った。やはり食べるには面倒な実だった。
食べた後、種を道路に沿った塀の際に蒔いておいた。その種が発芽し、すぐに塀を覆った。春、地味な茶色い花が咲く。実はならなかったと記憶しているが、若葉が美しい。引っ越すまで、アケビの塀の家として、近所で少しばかり有名だったらしい。
写真は比良のアケビの実である。飽食の時代、ますます食べるところのない実だと思ってしまった。
その実を食べた後、厚い皮の部分を炒め物にした。皮を細く切り、水に晒した後、味噌で炒めた。吉田類の産婆放浪記違う、酒場放浪記で「山形の料理」だと紹介していたので、真似したまで(僕自身が料理したわけでないが)。少し苦くて、ビールのつまみになった。
2017/10/14