登山道と合流してから、道は尾根をトラバース気味に登っていく。作業小屋があり、林業用の古びた鉄のケーブルが放置されている。白屋辻と言うらしい。ここから右手へ尾根を直登する。
ここまで、不動明王の少し先まで林道が延びていることを除くと、ほぼ地形図どおりである。
尾根の直登の道は、杉の植林の中であることと、登山者が多くないのだろう、枯れ枝が道を覆っている。
左手に広葉樹が見え始めると、道が尾根をトラバースするようになる。登り気味ながら、下りもある。あまり踏まれていないから道が狭く、少し歩きづらい。
再び尾根にぶつかり、再度直登になる。道に背の低い笹が現れ、伐採地跡に出る。地形図に995メートルと標高のある地点だろう。大平と呼ばれているらしい。地形図では、この大平まで道が直登しているように書かれている。現在の道は大平の下をトラバースし、北に向かう尾根を登って大平に通じているようだ。
大平からは吉野方面(大峰の前衛峰)、金剛山、竜門岳から音羽山の展望がある。
再び植林の中の登りとなり、小ピークに着く。ここまで来ると白屋岳が近い。広葉樹林の混じった中、いくつか(地形図上は2つ)コブを越え、ヌタ場を過ぎ、一登りすると1177メートルの山頂である。狭い範囲ながら、シャクナゲもある。足ノ郷越への道も続いている。
山頂から大峰の主峰(山上ヶ岳、稲村ヶ岳など)の展望が素晴らしい。吉野川の上流部と、その奥の大台ヶ原らしきものも見える。一番見たかった近くの名峰、白鬚岳らしきものも木の陰に少し見えた。
帰りは往路を戻った。紅葉を愛でつつの下りだった。
写真は白屋岳からの大峰の主峰である。真ん中の下に白く見えるのは吉野川の大滝ダムの水面である。
2017/11/08