以前、亀末廣の「京のよすが」のことを書いた。家用に買って食べてはいないのだが、ある日、店に入ったついでに(よう入れてもろたなってとこか)、羊羹風の菓子を買った。「古の花(このはな)」という。
どんな菓子かというと(美味い、美味いと食べてしまったので写真がない)、茹でた小豆を形のまま(粒のまま)寒天で包み、羊羹仕立てにしてある。食べると、ほのかな甘みが口に合う。
昔から洋菓子があまり好きでない。先日書いたように、オ・グルニエ・ドールと他の洋菓子屋の差もあまり区別できない。しかし、和菓子は京都よりも古い奈良出身のこともあり、また好きなので、区別できる。
思ったのは、和菓子の奥深さである。郡山の菊屋や中島(源九郎餅)が美味いと思っていたが、「古の花」の洗練された美味さには正直なところ「負けた」と思う。もちろん、味と値段の比率という相対的なパフォーマンスからすれば勝ったのか負けたのか何とも言えない(もっと平たく言えば、高いから美味いのがあたりまえな)ものの、値段を抜きにした絶対的な味からすると、負けたと思う。
多少地元贔屓で言い訳的に書いておくと、菊屋の場合、注文すれば高級和菓子も作れるようである。とはいえ、そんなものを普通は誰も食べたことがないし、今も作れるのかどうか。
京都、他にどんな和菓子屋があるのか。探す気はないものの、絶対的に美味い和菓子屋に、さらに何軒か出会えるのだろう。
2017/11/16