静岡の手前、掛川の南に高天神山がある。戦国時代の末期、武田と徳川が城の領有を巡って争った。武田勝頼の代になって徳川家康と争っていたが、1581年、武田の領有だった高天神が籠城の末に落城した。このことが武田家滅亡の大きな引き金になったとされる。
高天神城の本丸の標高は132メートル、東側の平地が30メートル程度だから、城自体は麓からわずか100メートル程度の高度差である。
高天神城のある山の写真でも少しわかるように(山歩きしていないと難しいかも)、登ってみると、山頂をとり巻く斜面はかなり急である。
しかも、これはネットの情報では得られないと思うが(ざっと見たところ、記述が見当たらない)、山全体が石ころと砂の入り交じった地層である。海岸が隆起してできたようだ。この地層のため、斜面をよじ登ろうとしてもすぐに崩れてしまい、登るのが難しい。
山はウバメガシの目立つ常緑広葉樹林に覆われている。本丸跡からは東側の展望がある。天気が良ければ富士山が見えるかもしれない。遠州灘も見える。
この高天神城、掛川駅が最寄り駅。北口のバス停から、しずてつ大東浜岡線に乗る。浜岡とは原発のある浜岡である。バスの便は1時間に1本くらい。下車は土方(ひじかた)である。バス停から少し南に下ると、高天神城追手門の表示があるので、それに従って右折する。アップした高天神城の写真はその分岐からである。道標が整備されているので迷うことがない。城の南東側から登ることになる。先の表示から20分少しで本丸跡に着く。
今回の目的は、この高天神城のほぼ真西、220.9メートルの三角点に到達することにあった。地形図には、本丸跡に高天神山の表示があるものの、三角点がない。しかも、220.9メートルの三角点は一等三角点である。今回、一渡り城跡を見学してから、その三角点に向けて出発した。
2017/11/20