どうしてだか知らないものの、日本人全員が100歳まで生きることになっているような。人生100年時代構想なんて、政府が命名したものがある。何のこっちゃである。
日本人の寿命が延びてきた。僕の祖父、祖母のほとんどは70歳代で亡くなった。父母の代は90歳代である。この調子でいくと、平均100歳も夢ではないとのことか。
しかし、よく考えないといけない。祖父母と同世代の場合、介護問題はあまりなかった。具合が悪くなるとほぼ終わりだったのかもしれない。
それに比べ、父母の代になって介護が大変になった。死なせない技術が進んだのだろう。しかし、死なないだけで、本人は本当に幸せなのか。傍の者はどうなのか。この議論を真剣にしなければならない。
少し前に書いたように、親の介護をしていると、「ああまでして生きたくない」というのが本音になる。友人の言葉である。
こんな本音を知っているのかどうかはともかく、政府はキャッチコピー的に100を使っているとしか思えない。現実を無視しているのか、無知なのか、どちらかでしかないだろう。もっと世知辛く言うと、医療費、介護費用も問題になっている。
最後は個々人の自由だろうが、生きる権利があるように、死ぬ権利もあると思う。大枚をはたいてまで、また傍に迷惑をかけてまで、意識がないのに生きたいとは思わない。
嫌なこと、国民に不人気なことから目や耳をそらすのではなく、100歳にこだわることなく、尊厳死の議論を政府はすべきだろう。それが本来の国の責任である。
2017/12/07