川北英隆のブログ

衣笠山にようやく到達する

3回目の衣笠山登山計画を立て、ようやく成功した。1回目は学生時代、2回目はこの11月である。いずれも登山口を見つけられずに敗退した。今回は3回目、「登れなかったら山歩きのプロとしてのキャリアに傷がつく」くらいの覚悟で挑戦した。
11月に計画し、時間切れで諦めた衣笠山の北側、原谷からアプローチするのは遠いので、今回は仁和寺の東側を通る道路を使うことにした。
原谷へと越える道路である。盲学校の横を通り、山の中に入る。ゴミが目立ち、あまり歩きたくない道である。道がヘアピンを描く手前に石段がある。天皇陵群への参道入口である。
石段を登り切ると先程の道路に瞬間出るが、先に広い参道(といっても石ころだらけの道)が続いている。
参道をたどって小さな峠を越えると、左下に町が見え、宇多天皇陵の少し上で分岐に出る。分岐を下れば宇多天皇陵、直進すれば原谷や金閣寺方面に抜けられるらしい。
分岐を右にとる。緩い下りである。正面に丸いピークが、左手に左大文字山や比叡山が見えてくる。丸いピーク以外の高い山が近くになく、そのピークの高さが歩いている道と大差ない。「ええっ、どこかで間違ったのかな」と不安になるが、地図をよく見ると、衣笠山は201メートル、それに対して道の横にあった小山と思っていたピークは240から250メートルある。「そもそも衣笠山は周囲よりも低い山か」と少し安心した。
左手に谷が広がり、金閣寺方面に道が付いているが、立入禁止との看板がある。崩れているとも書いてあった。その道を見送って直進すると、先程見えた丸いピークに着く。円融天皇火葬塚だった。標高190メートル強ある。ここから整備の行き届いた石畳の道を下ると、大きな天皇陵の北側に出る。一条天皇陵・堀河天皇陵である。陵からは展望が良く、雙ヶ岡、愛宕山方面が見える。
陵の北東角に衣笠山への道が付いている。直登する道(踏み跡程度)と巻き道がある。よく踏まれた巻き道を登ると、ピークの北側で稜線に出る。戻るようにして衣笠山に着く。
ピークの標識が何もない。三角点のピークでもないので、多少不安だが、「衣笠山国有林」とあったし、地形や標高からして間違いないだろうと思い、下山した。帰ってからネットで確認したところ、間違いない。写真が苦労して登った衣笠山である。
下山は先の巻き道の分岐まで戻り、稜線を進んだが、すぐに右手に道が折れる。地形図にある稜線を歩く道は使われなくなったようだ。
稜線を右手に折れると急な下りになる。下の方で幼稚園児の一団に出会った。下山した所(つまり登山口)が衣笠幼稚園である。さらに下ると車道に出る。立命館の駐車場がある。車道を左に下ると立命館大学のバス停である。堂本印象美術館の横でもある。ここまで、仁和寺の横から1時間程度かかった。
衣笠山、低い山かつ少しは有名ながら、山歩き用に整備されていない。陵がいくつもあり、それ中心の表示になっている。さらに、山の稜線の南側一帯が龍安寺の社領であるため、寺が立入を制限している。適当に歩くと怒られそうだ。なかなか難しい山だった。何とか3度目に成功して良かったと安堵している。
衣笠山.JPG

2017/12/04


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