先日、某所でビールを飲みながら、ちらっとテレビに目をやると、インパール作戦に関する映像が流れていた。「これは真剣に見なければ」と思った。後で調べると「かんさい熱視線」という番組だった。
途中で「どうでもええや」という内容になった。その瞬間、どうも間接的な知人が登場したように思った。軍医としてインパール作戦に加わったというNN氏のビデオ映像と、その娘さん(といっても、僕よりも5歳以上年上のようだが)、そして孫である。NN氏はコンタクトレンズで財をなし、立命館大学「国際平和ミュージアム」設置のために多額の基金を寄贈されたようである。
僕の父親も大変世話になった。わが家に来られたとき、子供の頃だったが、何回かお会いしたように思う。ビルマへの慰霊にもNN氏と父親は何回か同行したと聞いている。
その番組のインパールで思い出したのが、母親が僕に手渡した「借用書」である。金銭の借用書ではない。名刺に、ビデオとビルマの本を借りたと書かれている。父親が亡くなった後のように聞いているから、今から5年少し前だろうか。
その名刺、忘れないようにと(忘れかけているのだが)机の中にしまってあった。引っ張りだし、名前を確認した。テレビに登場した孫の名前と同じだった。
ビデオとビルマの本、返してもらっても仕方ない。NN氏に父親が大変お世話になったことからして、進呈していいのだが、母親は「いつ返してくれるのか」と気にしていた。母親にとって、父親の戦争関係の品物は形見に近かったと思う。
国際平和ミュージアムかどこかに収まっているのなら、所有者の名前が明記されているだろうか。一度見学に行こうかなと思ったりする。
2018/01/21