川北英隆のブログ

昔は金、今は紫の王国

SR氏の旦那がアルコールを嗜まないことをいいことにして、ついでにワイナリーの調査に出かけた。どこがいいのかと、同じ日にバークレーに入った(頻繁にバークレーに来ている)一橋大の教員の意見も聞き、Gold Countryに足を伸ばした。
カリフォルニア州の歴史と今を観察する目的である。車の中では、運転をSR氏の旦那に任せつつ、学会での報告とそれに関連するテーマを予定通りに議論し、(まだ少しだけ内緒ながら)共同研究の合意に達した。
金鉱石(というかナゲット、といっても鶏肉ではない金塊や砂金)が、カリフォルニアの州都(舅ではない)を流れるサクラメント川上流で偶然に発見された。これがゴールドラッシュの始まりである。発見者は木材の切り出し作業に従事していたという。
今、金が商業ベースで採れるのかどうかは知らない。想像するに、砂金なら採れるだろうが、採算には乗らないだろう。
そのゴールドラッシュの地域は、今は観光で生きている。といっても、国際的な地名度がない。むしろ、この地域の産業は金色から紫色に変わった。ワインである。
ナパやソノマは有名である。でも、ワインの産地がこれらに限定されているわけでない。今回訪ねたゴールドカントリー、ブドウ畑が斜面や平地いっぱいに広がっている。ワイナリーが無数と言っていいくらいあり、そこここでテイスティングさせてくれる。
テイスティングには何ドルかを払う。白から始まり、赤を何種類か、最後にデザートワインとなる。多くはワインを買えばタダにしてくれる。タダでなかっても、まあまあの量を飲むので、何ドルかの支払いは仕方ない。1日、3、4ヶ所が限界だろう。
我々は(というかSR嬢と僕は)、旦那の運転のおかげでフルにサンフランシスコ州の経済を視察できた。帰り、広大なブドウ畑(写真)と、湿地帯に広がる風力発電所を見て(何年も以前に、山手の風力発電所を見ていたものの)、日本との如実な差異を確認してしまった。
ブドウ畑.JPG

2018/03/22


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