川北英隆のブログ

ピトン・デ・ネージュに登る-1

ピトン・デ・ネージュに登るルートは2つあるようだ。1つが北東側の谷、サラジ(Salazie)渓谷から登るものである。もう1つは南側の谷、シラオス(Cilaos)から登るものである。シラオスからのルートは登りの連続なので、今回はサラジ渓谷から登り、シラオスに下りた。
サラジ渓谷はレユニオンの中でも雨の多い地域らしい。「レユニオンの特異な地形」の写真にもあるように、渓谷の絶壁にはたくさんの滝が流れ落ちている。雨期に来ればどんな光景になるのか、興味津々だった。
谷の奥にはエルブール(Hell Bourg)という町がある。フランスで一番美しい町の1つだという。町の奥、少し登った所に駐車場があり、そこが登山口になる。標高1000メートル地点である。ここからの登山道は整備されている。
最初は急な登りだが、そのうちに植林された杉林の道になる。
杉林を過ぎ、谷を渡ると、絶壁をジグザグに登るようになる。シダ類が混じる広葉樹林帯の中の気持ちのいい登りである。
レユニオンの山は午後になると霧がかかるようだ。このため、崖の斜面を覆った木々にはサルオガセがびっしり付着している。林の中にはショウガ類の黄色い花と、その他は南米からの帰化植物(フクシア)の類が目立った。
動物はネズミくらいだろうか。小さな鳥が多い。かつてこの島にはドードーという羽の退化した飛べない鳥がいたのだが、欧米人が上陸して食べ尽くしてしまったらしい。
崖を登り切ると、削り残された緩やかな斜面にたどりつく。標高2170メートルである。ここから稜線歩きが始まる。林は背の低い針葉樹林に変わる。
ペースが遅かったので、ここまで6時間かかった。通常なら3、4時間くらいだろうと思う。
写真はエルブールの通りから見たピトン・デ・ネージュである。登山道は写真の左に向かうように付いている。稜線歩きの始まりは頂上のはるか左側で、この写真では見えていないと思う。
エルブールからのピトンデネージュ.JPG

2018/04/22


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