レユニオンとは、2つの火山から成り立った丸い島だと書いた。その2つの火山を深い谷が刻んでいる。このため、絶壁が多い。また、南東貿易風が常に吹き付け、サイクロンも来るから雨が多い。この雨が滝となり、火山性の絶壁をそこここで流れ落ちる。
少し正確に書くと、島の北西側に休火山、ピトン・デ・ネージュ(Piton des Neiges、3069メートル)があり、南東側に活火山、ピトン・ド・ラ・フルネーズ(Piton de la Fournaise、2631メートル)が引っ付いている。このため島全体は、南東から北西にかけて少し長い楕円形型である。
このうち、ピトン・デ・ネージュでは頂上を中心に3つ(北西、北東、南)の谷が伸び、それぞれの谷は1000メートル前後の絶壁で山頂部を刻んでいる。
ピトン・ド・ラ・フルネーズでは、広大なカルデラと、今でも水蒸気を上げている火口と寄生火山に目を奪われがちだが、実は南側に深い谷が伸び、やはり1000メートルに達する絶壁が続いている。
時には、谷が削り残した部分は先鋒となっている。レユニオンの世界遺産の名として「レユニオン島の尖峰群、圏谷群および絶壁群」が使われるのは自然である。
詳しくはグーグルマップか、http://midomidotacnet.blog.fc2.com/blog-entry-205.htmlにある簡略地形図がわかりやすい。
これらの深い谷と絶壁は火山性の柔らかい地層と多雨のためだろう。また、火山性の地層だから、水を通しやすい部分と通しにくい部分がある。降った多量の雨は、水を通しにくい部分の上から滝となって崖を流れ落ちる。それも何百メートル級の滝が連なるようにして深い緑の壁を流れ落ちる。
忙しかったため事前にあまり調べていなかった。「2つの火山からなるのっぺりとした島かな」くらいに思っていたので、実際の風景に接するとすごく新鮮だった。「行ってみて大儲け」というところか。
写真は北東側、サラジ渓谷の絶壁を流れ落ちる滝(花嫁のベールと呼ばれる一群の滝)である。
2018/04/21