鞍掛峠から滋賀側に下った。急な斜面をトラバース気味に下る。道は小石だらけ、かつ狭いので、谷に落ちないよう少し注意が必要となる。送電塔を過ぎると杉の植林の中の道となり、安全になる。
そこで安心してしまったのか、分岐を見逃してしまった。というか、事前に注意して調べていなかったため、適当に歩いていると、思いもよらず早く国道に出た。鞍掛隧道の滋賀側の入口である。予定では、もっと下で国道に出るはずだった。
分岐を見落とした場所はほぼ見当が付いている。送電塔を過ぎて杉林に入った地点で道がなんとなく分かれていた。下りによくあるショートカットかと思ったのだが。確認せずに下ったのが間違いだったらしい。
夕方のバスの発車までたくさん時間があったし、通行止めで車も通らないし、楽しんで国道を歩いていたら、途中で工事のおじさんから、「三重県側から来たの」と質問された。「途中で道にゲートがあるので、開けてもらうように」とも言われた。国道の通行止めは歩行者も対象らしい。
道端の至る所でフジの花が咲いているし、キャラブキやイタドリが生えている。カエルが鳴いているし、はぐれザル一匹が道路を端って逃げる。マムシが車に轢かれて死んでいる。楽しい道路歩きだった。
谷に下りる手前にゲートがあった。兄ちゃんが足音を察して開けてくれた。上から連絡があったのだろう。
谷を渡ると、左岸に林道が付けられていた。本当はここに下りて来る予定だったのだと、少し偵察してみたが、道路の土が湿っていて歩きにくそうだった(負け惜しみかな)。
谷を渡ったすぐ先に踏み跡があり、「鈴ヶ岳」の表示があった。ガイドに記載のある桜峠への登山道だろう。ほぼ同じ場所からもう1本、踏み跡が伸びている。こちらは送電塔の巡視路だろう。
大君ケ畑のバス停に着くと、15時37発のバスまで1時間以上あった。「これなら鞍掛峠から三国岳を越えて下るのやったかな」と思いつつも、バス停から眺める里山(最初に登り着いた729メートルのコブのある尾根)の鮮やかな新緑を楽しみながらバスを待った。
写真は国道脇のフジの花である。何箇所も、手でつかめる距離で咲いていた。
2018/05/02