少し時間的にタイトだったので、百里ヶ岳のまとめとも言うべき鳥の声のことを書けないままだった。結論は、托卵三姉妹のことで僕にとって新しい発見があった。それと、より重要なのはアカショウビンの声を初めて聞いた。
簡単な托卵三姉妹のことから。三姉妹がいつものように鳴いていたことはすでに書いた。そのうちのツツドリで発見があった。昼過ぎに鳴いたのである。「朝だけやないんや」と納得した。カッコーやホトトギスもそうだが、陽が高くても鳴くようだ。
とはいえ、鳴き始めは、吃るようにポポポポポから始まることに変わりなかった。朝だから少し寒いので舌の回りが悪い、だから吃るのではないらしい。
次にアカショウビンだが、感動物に近かった。どんな鳴き声なのかはネットで調べてほしいが、「キロロロロロ」である。これを繰り返していた。
暗がりで聞くと、幽霊がヒュロロロロロと出てきそうな感じにも聞こえる。イヒヒヒヒヒと笑っているようでもある。少し音程を下げ気味で鳴き終わるから、余計に不気味に聞こえるのかもしれない。もっとも、こっちはアカショウビンだと知っているから、その声を楽しみながら沢を下っていたのだが。
でもと思う。「アカショウビンやで」と思わせて、それが罠だったりして。いろいろと考えても仕方ないし、そもそもアカショウビンの姿を追い求めようとも思わない。だから罠だったとしても引っ掛からない。というところか。本当かな。
アカショウビンはカワセミの仲間である。といっても、沢に飛び込んで小魚を捕まえるだけではないとのこと。昆虫やカエルなどの森の小動物を食べているらしい。
一羽だけのようで、やがて聞こえなくなった。そのかわり、川ではカジカがたくさん鳴いていた。そういえば山では春セミだろうか、その声がした。いよいよ生き物の季節である。
2018/06/10