野坂岳に登った午後、気比神宮を訪れた。街中の人通りは少ないが、その割に気比神宮には参拝人が何人もいる。そのついでに見つけたのが天筒(てづつ)山、171.3メートルである。
泊まったのが駅前のビジネスホテルだった。天筒山まで歩いても遠くない。低い山だし、翌朝の朝飯前に散歩することにした。ネットで調べると道が整備されている。
天筒山の登山口は浄化センターの北側にある。少しわかりにくいが、表通りから、そのセンターの敷地の北側を東側に入ればいい。登山口には案内図がある。軽乗車なら通れそうな舗装された登山道が伸びている。「クマに注意」の看板も。ときたま目撃情報があるとか。
道は常緑広葉樹が目立つ林の中に付けられている。とくにスダジイが目立つ。対馬海流が流れるから温暖で(雪は降るものの)、太平洋側と同じ林なのだろう。
そう思いながらヘアピンを登る。すぐに頂上付近に到達する。広場になっていて、三角点の表示の近くには筒状の展望台がある。
「ここからどうしょうか」と少し迷ったが、稜線をそのままたどり、北西にある金ヶ崎城跡まで足を伸ばすことにした。まずは天筒山から下り、鞍部から少し登り返す。送電塔ある。北側にある敦賀セメントの動力用だと思う。工場の音がうるさい。
もう一度下るとき、スダジイ(だと思う)の純林の中を通る。これが素晴らしい。この付近が城跡の始まりで、古戦場でもある。織田信長、木下籐吉郎(豊臣秀吉)、徳川家康らが朝倉氏と戦った地でもある。
北の突端に出ると敦賀発電所が見え、石炭が港に積まれている。
一旦スダジイの林の手前、鞍部まで戻り、そこから西に向かって下る。金ヶ崎宮にお参りし、芭蕉の句碑の横を通る。市内を歩いて駅前のビジネスホテルに戻った。1時間45分程度の散歩だった。
この素晴らしい散歩の後、地震に遭遇するとは。「もっとゆっくりしろ」との声だったのだろう。
写真は金ヶ崎城址付近のスダジイの純林である。朝早かったので、まだ薄暗い。
2018/06/23