ピコ島が有名なのは、ピコ山よりもワイン用の葡萄畑だろう。ピコ山は世界遺産ではない。それにも関わらず(って何のこっちゃだが)、葡萄畑は世界文化遺産である。極上のワインが作られるからではなく、その農業環境というか景観である。
論より証拠というので、葡萄畑の景観をアップしておく。バックには小さくピコ山が写っているのだが、午後になって雲がかかり、頂上部が隠れている。手前の尖った帽子のような影は風車である。
主役の葡萄畑はというと、一面に広がる岩である。そこに伸びる雑草のような緑がワイン用のブドウである。
もう少し説明すると、火山性の岩を使い、腰くらいの高さの石組みを作り、その中にブドウを這わせている。風と海からの塩を避けるためである。また太陽で暖められた岩がブドウを育てる。もちろん、緩やかな傾斜と、火山性の水はけの良い土壌も指摘できるだろう。
そんなピコ島を持つアゾレス諸島のレストランでは、ワインは水代わりに供せられる。要するに注文しないのに飲み放題である。
味はというと、酸味がもう少し欲しいとは思うものの(贅沢かな)、なかなか美味い。先日、日本のレストランで飲み放題用のワインを一口飲んだが(もちろん代金を払っているのに)、スカみたい、酔うだけのワインだった。それと大違いである。
そのピコのワインを島のスーパーに買いにいった。えらく安い(1000円もしない)。
実はピコ島のワインは白が元来のものらしい。魚料理と合わせるためだろう。とはいえ現在は赤が主だそうだ。それでも魚料理と合う。葡萄畑ではなく、その最終段階のワインと飲み放題文化を世界遺産にしてはどうかと思う次第だった。・・・
2018/07/24