川北英隆のブログ

ポルトガルと島々の気候

ということで、アゾレス諸島とついでのリスボンが終わった。全体として感じたことは2つ。1つはエミレーツの機内サービスの質が普通になったこと。もう1つはポルトガルとその海域の気象について。とくにリスボンが涼しかった。今年の夏からは非常に懐かしい。
エミレーツは料金が安いに違いない。だから混雑していて、乗客のマナーも悪い。サービスの質も低下する。エミレーツが飛んだ最初の頃、エコノミークラスでもピカピカのサービスに感動したのだが。今はあまり多くを期待しても仕方ないのだろう。期待するのならビジネスに乗れと言われそうなものの、山登りでビジネスにするには気力が充実しすぎている。仕事なら、ビジネス以外はご免なのだが(エコノミーだと、仕事の重圧?と疲れる座席に気力が萎える)。
気象について、アゾレス諸島の気象は貿易風の影響を受ける。資料をよく見ると(高校用の地図帳だが)、南西への貿易風はアゾレス諸島付近から始まるようだ。それより北は偏西風(西からの風)の世界になる。正確には(調べきれていないが)、冬は偏西風の領域、夏は偏西風と貿易風の境目になるのかもしれない。
アゾレス諸島もポルトガルも、夏は大西洋北部の大きな高気圧の勢力圏内に入る。このため、夏の晴天率が高くなる。とはいえ、リスボンでは海すなわち西寄りの海風が吹く。しかも、リスボンの沖にはカナリア海流という寒流が北西から南へと流れ込む。このおかげでポルトガルの夏は涼しいようだ。
コロンブスが何故カリブ海の島に着いたのか。地図を見るとすぐわかるように、ヨーロッパより中米の位置は相当南にある。なんでそんなに南に行ったのか。南西への貿易風に乗ったからである。カナリア海流に乗ったことも影響しているだろう。ちなみに帰りは北寄りの航路をとり、偏西風に乗ってヨーロッパに戻っている。
そんな気象状況のアゾレス諸島は、今回の旅行中、西寄りの風が吹いていた。高気圧が弱く、風が強いと、島の西側の天気が良くない。晴れているかと思うと、急に黒い雲が押し寄せ、俄雨になる。逆に高気圧が強いと、晴天になるようだ。
この微妙な状況において、天気予報は難しいのだろう。ピコ山に登る日、天気予報が見事に外れたのは大歓迎だった。
写真はファイアル島の西端、カペリニョス火山に向かって下りるときの雨の模様である。こんな風にして俄雨になる。
20180725アゾレスの天気は.JPG

2018/07/27


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