黒部川第四発電所は標高869メートルの地下にある。忘れたが、4階程度の構造だった。この発電所を出て、すぐにインクラインというケーブルカーに乗る。20分で標高1325メートルに上がる。そこからはバスで専用トンネルを通り、黒部ダムを目指す。
黒部ダムの標高は1470メートルだから、インクラインで一気に標高を稼ぐわけだ。それだけ黒部川が急流を形成している。またもや地図で確認すると、発電所の上ではS字峡、十字峡、白竜峡と、黒部川の核心部が続く。
このバスが走る隧道では、かつてダムと地下発電所工事のためのトラックが行き来した。トンネルを掘った岩石は横穴(トンネル)から排出したそうで、今でもそれが残っている。その1つ、樽沢の横穴で途中下車し、剣岳(裏剣)を見に行った。ひんやりとした横穴を数分間歩く。道路横の溝には湧き水が流れ、飲める。長い年月をかけて、トンネルのセメントが溶け、細い鍾乳石と石筍ができている。
時間も正午を過ぎ、天気が心配だったが、トンネルの外に出ると雲も少なく、ほぼ剣の全貌を眺めることができた(写真)。
樽沢は専用バスのほぼ中間地点に相当する。トンネルの最後は道路が複雑の曲がり、扇沢からの観光ルートと合流する。
なお、欅平から発電所を経由して黒部ダムまでの専用道路は「黒部ルート見学」として抽選により一般にも限定開放しているそうだ。検索すると申込み方法が出てくる。
2018/07/29