セピック川を離れてウエワクに戻る途中、マプリック(Maprik)という山地の一地域、アパンガイ(Apangi)村に寄った。この村にも独特のハウスタンバランがある。
これまで見たハウスタンバランは、屋根の両端がせり上がり、日本の入母屋造りに似ていた。この点、アパンガイのハウスタンバランは片側だけがせり上がり、もう一方の端はほとんど地面に接している(写真。何故かしら傷んでいる)。大きな柱が1本で済むような(本当は違うが)、そんな感じの建物である。
建物の中にはいくつもの偶像が並べられていた。聞くと、ヤムイモの神様を祀り、豊作を祈るためのもので、数日前までそのフェスティバルをやっていたとか。
ハウスタンバランの中には(多分子供だろうが)、シンシン(祭や儀式のための踊り)のお面と衣装をまとった人間がいた(写真)。
先に紹介したパリンべ村でのイニシエーションの儀式でも、ほぼ同じ衣装をまとったのが10人以上練り歩いていた。このときの踊りがシンシンである。ネットによると、sing singがシンシンの語源だとか。ただし、パリンべのシンシンはお面を付けていなかった(頭頂部を頂点として三角形に束ねた青草で全身を覆っていた)と記憶している。
アパンガイではゆるキャラよろしく、立って少し動く程度だった。
2018/08/16