京都企業向けの講演会で講師を務めた。京都の地で企業向け講演をしたのは数回ある。そんなことを繰り返していると、京都企業の特性が強く認識でき、面白い。
主催者から伝えられたのは、京都企業は大阪までわざわざ出向かないと。だから、京都企業に集まってもらいたいと思うのなら、京都で講演会をセッティングしないといけないらしい。
「そら、そやな」と思う。「何が悲しくて、遠く離れた大阪に出向かんとあかんのや」「京都は都やで」「大阪人が来いや」と思われても仕方ない。奈良県人としての僕は大阪も好きなのだが、京都人の感覚とはズレがあるはずだ。
主催者も京都人の感覚に気づき、初めて京都の会場で講演会を開いたとか。そのせいかどうか、予想以上の参加者があったらしい。とはいうものの、1回、京都で講演会を開いたのなら、伝統を重んじる京都の風土を十分に認識したのなら、今後も続けなければならない。そうでなければ、どのように貶されるのだろうか。
講演会の後の懇親会で主催者側が重要な点に気づいた。京都企業の仲の良さである。
確かに、わずか1時間ほどで盛り上がった一団があった。「普通、講演会の後の懇親会で、見ず知らずのはずの者同士で盛り上がることはない」らしい。盛り上がった一団は、どこかで知り合いなのだろう。「多分、普段から付き合っているに違いない」と。
そうだとすれば、ある京都企業に悪い噂が流れると、すぐに京都全体に知れ渡る。そういう社会だと思っていいだろう。この情報交換は、「こんなものが流行っている」「流行りそうだ」との情報にもなりえる。アンテナが社外にも立っているのに等しい。恐るべき社会だと思っていいだろう。
2018/09/19