前回の和泉葛城山と同様、阪急の始発に乗り、淡路、天下茶屋経由で南海本線を利用した。岸和田で普通電車に乗り換え、孝子に向かう。父親に海水浴に連れてきてもらった二色浜が貝塚の先にあり、遠いことも確認した。今は電車が速いので、当時よりはるかに近いだろうが。
父親の戦友だった安宮さんの住んでいた田尻も通った。中学可高校時代に2回ばかり行ったと記憶している。南海の駅でいうと吉見ノ里駅だろうか。関空と向かいの町である。
普通に乗ると、いろんなことがわかってくる。交通手段は速いだけが能ではない。
岬公園を過ぎ、電車は山越えになる。府県境の手前に孝子駅がある。実は、数年前、その峠を越えて(トンネルをくぐってと表現するのが正しいが)和歌山大学での証券経済学会に出席したことがある。その時は特急に乗ったので(何故かしら、ついでの山を考えなかった)、孝子なんて駅を知るよしもなかった。
孝子駅から登山口の高仙寺(孝子観音)までは、様相が事前のイメージと異なっていた。このため、地図と睨めっこだった。
駅を出て南に歩く。100メートル少し歩くと、左手に線路を渡る道があるので、それをたどる。右手の工事現場に入らず、畑の中を歩き、川に沿うようになると、左手に橋がある。その橋を渡らずに真っすぐ進んでもよさそうだったが、今回は橋を渡った。
上り道になり、草むした石段になる。先で左手に折れ、さらに石段を上がる。ブロックで石段を補修し、段差を小さくした形になっている。石段の上には、かつて立派な寺だったと思わせる仁王門がある。
仁王門をくぐり、さらに石段を上がり、山門と社務所を過ぎる。その上に本堂がある。この付近、先の台風で瓦がとんだままである。復旧を願いつつ、僅かな寄進をして、本堂右手の登山道に入る。
すぐにウバメガシの林になる。ウバメガシは備長炭の原料、さすがに和歌山近辺の山だと思う。少し急登が続き、やがて展望台に出る。そのすぐ上が高野山(285メートル)である。高度は低いながらも、出発点の駅が50メートルくらいだから、少しだけだが登った感がある。
高野山の上で反射板と送電塔の横を通る。道は広いのだが、イノシシが道端を掘り返している。大して邪魔にならない程度に倒木も所々ある。
一箇所(312メートルの小ピーク付近だと思うが)、Uターンするように道が右手に折り返している。林の中なので、尾根の続き具合を確認するのが難しい。GPSを使うか、コンパスで方向を確認するか、位置を確かめるのが望ましい。いずれにせよ、多少荒れているとはいえ広い道が続いているから、もしも不明瞭な箇所に踏み込んだのなら、「道を間違った」と思っていい。
その後も、倒木が何箇所かあるものの、尾根をたどればいい。
飯盛山と札立山の分岐の手前に大きな倒木がある。今回たどったルートの最大の難関(大袈裟かな)である。倒木のせいで、道が途切れた感じになっている。迷えば、右か左に明瞭な道を探すことである。
飯盛山と札立山の分岐から飯盛山を往復する。この道にも倒木がある。潜るのが明瞭である。
飯盛山の山頂の手前に送電塔がある。飯盛山(385メートル)からは大阪湾の展望がある。山頂から北に下る登山道があるとのことだが、10月は松茸山のため、通行できないらしい。通る気もなかったので、現地調査しなかった。
写真は高仙寺の仁王である。
2018/10/21