インドは「インパールとコヒマを旅行したんや」と知人に話すと、まず「治安は」と聞かれる。パキスタンとの国境地域の治安が悪いので、そのイメージなのかもしれない。
かつてから、この地域は独立運動が盛んである。そもそもこの地域、インドだといっても、いわゆるインド人、つまりアーリア系の人種が住んでいたわけでない。原住民はモンゴロイド系であり、日本人とあまり区別がつかない。日焼けしているのか色が浅黒いため(もちろん着ているものが異なる)、区別できるが。
コヒマ(ナガランド州)に住んでいるナガ族はミャンマーとの国境にまたがって暮らしている。今でも国境を越えて行き来しているらしい。先進国が勝手に決めた国境が問題だともいえる。
とはいえ、変な国に属するよりも、もちろん独立するよりも、世界のさまざまな地域の悲惨な状況や紛争を考えれば、インドに属していたのが幸いだったかなと思えて仕方ない。
そもそもナガ族は日本人に親近感を持っている。彼らはイギリス支配からの独立を目指していた。そこに日本軍が攻め込んだから、「敵の敵は味方」の論理である。もちろん、日本軍が軍票(日本政府が発行する現地通貨)で食料などを調達し、それが最後に紙くずになったわけだから、反感もある。でも、その反感よりもイギリスの敵だったプラス面が勝っているようだ。
治安の話しをしていると、「インパールやコヒマは中国よりも危険度が小さいのでは」との評価を提示された。何でか。
急に罪をかぶせられ、とっ捕まることがないからである。インパールやコヒマで危険が迫れば、ある程度事前に察知できる。ここで、最近最先端分野で有名になった知人が話していたことを思い出した。「中国での会議に出たくない」と。
世の中は複雑である。いずれにせよ、いろんな注意が必要だと思える。
写真はナガ族の民族衣装を着た若者である。衣装を除けば日本人と区別できるだろうか。左端の兄ちゃんの腹が出ているが。
2018/12/13