ナガ族の地域に入って最初に抱いた疑問は、どうして丘の上に住むのかだった。答えは他の部族からの防衛である。言語の方言も強い。とすれば、そもそも交易の必要に乏しく、自律的に生きていたのだろう。パプアニューギニア同様、比較的豊かだったようだ。
そのナガ族のナガランド、文化的に違和感が少なかった。日本に近い。
しかも今は文化が近代化し、かつて一般的だった入れ墨も廃れつつあるようだ。ホーンビル・フェスティバルには部族の代表として若者が多く出場?しているものの、本物の入れ墨を見ることがなかった。代わりに部族の象徴を表現するため、墨を塗っていた。当然、スマホも普及している。
「ホーンビル」が表すのはサイチョウの白と黒とのすかっとした尾羽なのだが、そのサイチョウが少なくなり、衣装の飾り羽根として本物を使っている割合はきわめて低かった(多くは模造品)。12/13の写真に登場する男女、帽子の上部に付けられているのがホーンビルの尾羽なのだが、当然?偽物である。
食文化はどうなのか。フェスティバルではナガ族が好むというイヌの肉はあまり見かけなかった。西洋人に遠慮しているのか。そこでは、少しだけ変わったものとしてカイコの串焼きを食べた。トウガラシをまぶしてある。塩の代わりなのだろう。それと一緒にライスビール(濁り酒)を飲んだ。トウガラシを除けば昔の日本と一緒である。美味だった。
父親が、「イヌ、ネズミは美味い、猫はアカン」と戦争末期の食糧事情を語っていた。思うに、これは多分にナガ族の影響があるのだと理解した。前にアップした戦闘の地図を見ると、コヒマには「ナガ部落」と記されている。多分、そこで調達した食料に雑多な動物の肉が混じっていたに違いない。もしくは落ちのびるとき、ナガ族の村で雑多な肉を調達したのだと想像する。
上の写真はフェスティバルで食べた「カイコの串焼きにしたん」である。
下の写真は、その「カイコの生きてるん」である。逃げにくいようにフィルムで覆ってある。毒々しく赤い。調理の下準備としてトウガラシが振りかけられているのか。
追記:ナガ族の現状に関して、次が参考になる。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/b/083100028/
2018/12/26