東京で半日ばかり暇を見つけた。思いついて、新しいスマホのGPS機能と写真を試しがてら、簡単な山歩きというか散策というか、腹ごなしを計画した。目指すは東急田園都市線、すずかけ台駅(長津田と中央林間の間)近くの高尾山である。
標高は100.4メートルである。八王子にある高尾山の神様に来てもらい、それを祀ってあるらしい。
「そんな山、どこで見つけたんや」というところ。実は、「一等三角点」で検索し、その中で山と名の付く場所を拾い出し、見つけた。
かつて住んでいた三鷹もしくは国分寺付近からの(新幹線を使わない)日帰り圏内の関東の山はほぼ登りつくしたはずなのに(これも会社を辞めた1つの理由?)、千葉、埼玉、神奈川で(精査していないものの)少なくとも1山ずつ簡単なのを見つけた。半日程度で行ける山なんて、15年ほど前は考えもしなかったのだろう。それに当時、検索速度は遅いし情報も充実していなかった。
この高尾山、住宅地を抜けるので道を説明するのが難しい。東京工業大学のキャンパスが山の裏手(北側)に広がっているので、そこから行けるとも思ったが(京大の吉田山かいな)、念のため、住宅地を通り、山の南側の尾根に付けられた道から登ることにした。これが大正解だった。というのも、頂上の北側にはネットが張られていて、大学側からは登れない(登るにしても抜け道を探す必要がある)。
興味があるのなら、地形図を見て歩いてほしい。線路沿いもしくは国道246号線沿いに歩けば、比較的簡明なはずだ。僕はそういう所を歩く趣味がないので、線路の北側の住宅街を歩いた。ただし、GPSで確認しつつ。
尾根に入ると(と言うほどでもなく、車道から脇に上がると)、想像を絶した光景があった。周りに畑が広がり、何人か農作業をしていた。写真が尾根道から見た頂上である。奥(巨大な校舎の手前)に鳥居があり、神社と三角点がある。西側の展望が良い。遠く、相模川の向こうに丹沢が見えた。懐かしかったので挨拶した。
帰り、すずかけ台に戻ってもよかったのだが、尾根の取り付きから北側に広がる谷がかつての相模台地の雰囲気を残していそうだったので、長津田の駅までそのまま歩くことにした。途中、天王社という八坂神社系列の祠に寄り道をし、駅まで1時間程度だった。
高尾山や天王社にかぎらず、丘陵の小高い場所には必ずと言っていいほど祠がある。村々が祀っていたのだろう。
2018/12/27