お節を食べ終え、用意してあった(僕が用意したわけでない)食材も食べ尽くしてきた。20年も30年も前であれば正月用にかなりの食材を用意したものの、今は早くから店が開く。京都に住んでいると外食も可能である。
そんな正月の料理、今年の大当たりは棒鱈だった。干した大きな鱈を戻し、味付けした料理である。関西のお節の定番の1つである。
その棒鱈、子供の頃は好きでなかった。脂肪分がないからだろうか。それがいつしか好きになっていた。
しかし、である。この料理、並大抵ではないらしい。母親が棒鱈を買い求め、ずっと作っていた。苦労話を知っている。棒鱈ってという向きには、写真をアップしたことがあるので参考にしてほしい(2016/12/14)。
まず、大きな棒鱈を切らないと食べる柔らかさに戻せない。これが普通の包丁類では切れない。わが家には昔、商売の関係で大きな押切があったので、それで切っていた。廃業とともに押切がなくなると、購入した店に頼み、切ってもらっていた。こうして手に入れた切り身を戻し、味付けするのだが、それに要する時間が半端ではない。大きな土間のある、昔風の家でないと無理な注文である。
このため、母親が弱り、亡くなった後、正月の棒鱈はわが家にとって一時幻になりかけていた。とはいえ、京都には相変わらず需要があるのだろう。市内の店で棒鱈を(時間をかけて)柔らかく戻したのが売られるようになったらしい(以前からあったのに気づかなかっただけかもしれないが)。
今回、家内がこの戻したのを購入し、炊いた。好みの味付けにできるので美味い。多分、日本酒に合う。僕はビールのつまみにしたのだが。
アマゾンで調べると、棒鱈を切ったの、柔らかく戻したの、味付けしたのが売っている。経験からするかぎり、味付けしたのはお勧めでない。甘すぎると思う。戻したのを買い求め、自分で味付けするのがベストだろう。
ネットの時代、いろんな食材があり、味付け方法も手に入る。口に合うかどうかは、ネットに時代になっても保証のかぎりではないが。
2019/01/03