1月末から2月初にかけて時間を作れた。本当は世界の山を歩きたかったのだが、ツアーが成立せず。仕方ないので、以前から一度は行きたいと思っていたエジプト観光旅行に参加した。
エジプトの著名な観光地(遺跡)は限定されている。ナイル川沿いに並んでいる。どんなのがあるのか、その内容について多くを語っても仕方ない。代わりに、最後に悟ったエジプト旅行の最初の一歩、そのコツを少しばかり紹介しておきたい。地下鉄と両替である。
エジプト、観光ツアーであっても必ず直面するのが小銭とチップの問題である。トイレを使おうにもチップが必要となる。もちろん小銭ではなく「大銭」を払ってしまえば、相手に何の不満もないのだろう。しかし、日本人は甘いと見られてしまう。
普通、海外では日本人と中国人の区別がつかないようなので、「ニーハオ」と言いながらチップを渡す(もしくはチップなんて知らないという顔をする)手もある。でも、この奥の手を使わないとして、小銭を入手するのはどうすればいいのか。
ちなみに、トイレでのチップは3エジプトポンドくらいで十分だろう。1ポンドでもいいと思える。このエジプト通貨の単位、ポンドは6円少々だから、3ポンドで20円に相当する。ちなみに現地ガイドは、トイレのチップは3から5ポンドと言っていた。
問題は、エジプトの銀行で両替したとしても、小銭を最小限しかくれないことである。僕の場合、両替時に「小銭を混ぜてや」と言ったのに、5ポンド札が1枚混じっただけだった。残りは10、20、50、100ポンドが少々あり、大部分は最高紙幣200ポンド札で占められた。
エジプトの店では日本と違い、「お釣りがない」、「釣りを切り捨てた」と言われることが多い。かといってカード払いが可能な店は限定されている。米ドルがどこでも通用しているのだが、1ドルが20ポンド弱に相当し、トイレのチップには多すぎる。だから、旅行中は常に小額紙幣を使い切らないよう用心していた。
そんな中、最終日に両替手段の新手を発見した。地下鉄に乗ることである。
まだ完備にはほど遠いものの、カイロ市内に地下鉄が走っている。駅の構内に入るには、検査機を通らないといけない。荷物は、その検査機の横にあるレントゲン機を通す。その後、切符を窓口で買う。売場で行き先を告げればいい。
ここで、大きな札を出し、両替することだ。僕の場合、100ポンド札を出し、小銭に崩した。当然のことだが、1ポンドのコインか札を必ずくれる。1ポンドのコインはすごく立派である。日本の5円玉相当とは到底思えない。
ついでに書くと、切符は3ポンドから7ポンドだとガイドに教えてもらったが、カイロ市内の観光地なら3ポンドですむ(数年前まで、1ポンドとか2ポンドだったらしい)。これとの比較で、トイレのチップは1ポンドで十分と思った次第である。
改札は機械式である。現地人を少し観察した後、それを真似ればいい。ただし、路線の終着駅を事前に確認しておかないと構内で迷子になる。日本と異なる点だが、ホームには主要な行き先が表示されていない。
車両には女性専用車がある。迷惑行為を防ぐためではなく、かつてのアパルトヘイト政策と同様、宗教上の立て付け(端的には女性蔑視)である。
夕方は相当に混む。ドアの力は強い。たまたまガイドブックの端がドアに挟まったところ、その部分がプレスしたように折れ曲がってしまった。
エジプトの物価上昇率が高い。このため、コインの立派さ、トイレチップの高さ、地下鉄の安さなど、いろんなアンバランスが混在している。
2019/02/05