川北英隆のブログ

海外からの旅行者に税金を

ある雑誌(週刊誌)に寄稿した。年に2回程度の割で書いている。今回のテーマは、端的には「海外からの旅行者に多くの日本人は怒ってるぞ」である。以下、その概略であり、少しだけ関西語バージョンである。
京都から観察してると、市バスは限界を超している。下手に乗るととんでもない目に遭うから、避けた方がいい。そう知人には忠告している。
京都の地下鉄も限界に使い。旅行者の大きな荷物でギュウギュウになることが多くなってきた。「リュックなどを、迷惑にならないように持ちましょう」なんて悠長な注意をしている場合かと思う。
新幹線も乗り降りで発車時間を過ぎる場合が生じている。このこともあり、少し前に書いたように、外囲人に注意するため車掌が下手な英語でアナウンスする。こっちの下手な英語がよけい下手になりそうだ。
調べると、海外からの旅行者は2013年に初めて1000万人を超え、18年は3119万人になった。前年と比べて8.7%の増加、13年と比べて3倍である。「そら交通インフラが麻痺するな」と納得してしまう。
京都の市バスや地下鉄、「増発したらええやん」というとこだが、高齢化と人口の減少のため、運転手をはじめとする人員の確保が難しい。言い換えれば、日本人のための交通インフラが海外旅行者に乗っ取られようとしている。
そこで思うのが、海外旅行者に対する入国税であり、入国制限である。前者はエジプトの例がある。入国する外人から査証費用として25ドルを徴収している。後者はブータンの例がある。海外旅行者に対して1日当たりの最低滞在費が決められている。これらに似た、海外旅行者だけをターゲットとした制度を日本でも導入すればいい。
と、交通機関、宿泊施設、商業施設、寺社や観光施設などから「旅行者が減る」と猛烈な反対意見が出てくるかも。でも、所得税を払っていない海外旅行者が日本国民と同じ料金でそれらの施設を使え、自由に旅行できるのは「ずっこい」。それらの施設に行くための道路1つをとっても理解できるように、直接もしくは間接に日本政府や地方公共団体が支えているからである。
2013年以前のように、海外からの旅行者に是非来てもらいたいのならともかく、最初に書いたように、今は「迷惑や」に近い。少々の「税金」で海外旅行者が激減するわけでもなし、海外旅行者から「税金」を徴収するのに反対する日本人は少ないだろう。少なくとも京都人の多数は「大賛成」に違いない。それに、新たな「税金」でインフラが少しでも良くなれば万々歳ではないか。

2019/02/25


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