川北英隆のブログ

日本人の二重人格

友人と話していると、「家庭のしつけで体罰が違法やったら、わてなんかすぐ逮捕されまんな」とこぼしていた。僕らが子供の頃、すぐに頭を殴られたものだ。もちろん、殴る親や教員は手加減していた。それを子供ながらに理解しているのだが、やはり怖かった。
子供同士の喧嘩もしょっちゅうだった。でも、やはりどこか互いに手加減していた。僕の場合、1回だけだが、本気で喧嘩したことがあったが。といっても、刃物は持ち出さなかった。
今は極端である。すぐに本気になる。というか、手加減を知らないのか。一人っ子が多いから、また近所の子供と外で遊ぶことも稀だから、喧嘩の仕方を知らないのかもしれない。しかもアニメやゲームですぐに凶器が飛び出すから、それを真似るのかもしれない。そんな子供が大人になってしまえばどうなるのか。
スマホを見ながら混雑する通路や階段を傍若無人に歩き、たくさんの通行人とすれ違うのに顔も上げないヤツがいる。雨の日、狭い歩道で傘をさしてすれ違うとき、傘を傾けないのが多くなっている。これらもまた、手加減を知らないことと同様、他人に対する気遣いのなさである。
と思えば、電車や駅構内での放送がやたらといろいろ注意してくれるのは何なのか。海外では滅多に遭遇しない。日本人の親切さの表れなのか。
他人に対する気遣いのなさとの対比で、日本人は二重人格ではないかと思ってしまう。
日本人が二重人格だとして、これにはとりあえず2つの説明が成り立ちうる。1つは、個々の日本人が二重人格だという説明である。もう1つは、親切な日本人が多い反面、傍若無人で自己主義なのも多いという説明である。どちらなのか。多分、両方とも成り立っているのだろう。
もう少し言えば、最近、傍若無人で自己主義な日本人が増えているような気もする。というよりも、一秒先のことさえ考えない頭の悪い日本人が増えているのかもしれない。数秒先のことを考えられる程度に頭が良ければ、交差点を横断するのに、スマホを見ながら歩かないだろう。何回も書くように、車に轢かれるリスクが極端に高まるし、物をひったくられるリスクも高まる。
そういう頭の悪い連中が増えているから、電車や駅構内での放送がやたらとうるさいのかもしれないし、家庭のしつけで体罰を違法とする法律を作らないといけないのかもしれない。そうすると、頭の悪い連中がますます一秒先のことさえ考えなくなり、さらに放送や法律で縛り上げないといけなくなってしまう。悪循環である。

2019/03/21


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