旅行していて最大級重要なのが飲食である。この点でヨルダンはどうだったのか。総評として、食事はうまい部類に属するだろうが、変化に乏しかった。飲み物は(僕の経験にすぎないものの)世界一高かった。
日本でセットされた旅行であり、それなりの宿泊施設やレストランの利用だったため、食事の大部分が「豪華」ビュッフェというかバイキングというか、その形式だった。とはいえ、朝はともかく、昼と夜の料理は両や質が同じであり、ホテルによる差も少なかった。
全体的に言って、料理の形式はエジプトに似ていた。野菜中心のサラダ、ゴマやナスビをペースト状にしたもの、野菜と肉を煮込んだ料理、肉と米を使った混ぜご飯、チキンやマトンの焼いたのなどが多かった。牛肉の料理は少ない。当然、ブタはない。
見た目、ヨルダンの料理はエジプトと同種なのだが、塩味の差は歴然としていた。ちょうど良いか、むしろ薄味だった。やはりエジプトの塩辛さは異常である。エジプトの場合、イギリスが実質的に支配した期間が半世紀に渡ったのに対し、ヨルダンの場合は四半世紀程度だった。この差が大きい(エジプトの料理の味を狂わせた)のかも知れない。
ということで当初はヨルダンの料理に文句はなかったのだが、そのうちワンパターンに飽きてしまった。パターン外に、時々出てくるマトンの串焼きの美味かったこと。アラブ諸国の料理は、やはりマトンの串焼きに限るなと思ってしまった。もしくは、アルジェリアで食べたようなマトンのシチューだろう。
これに対してアルコールの事情は違っていた。何と、ホテルで飲むビールは1本10ドル異常違うか、以上した。グラスワインもほぼ同じである。ケチくさい話をすると、その高いビール、330ccしか入っていない。日本の350ccに換算するとさらに高いわけだ。郊外のレストランでは5ドル程度のところもあったが、小売店で買っても4ドルだったか(同じツアーのが買っただけなので記憶だけだが)した。
エジプトもアルコールは高かったが6ドルとか、そういう値段だったと記憶している。それでも高いなと思っていたのだが、上には上があったわけだ。
アルコールを禁じる宗教、イスラムとして、禁止的に高い税をアルコールから徴収しているのだろう。海外からの観光客に金を落とさせるためにも、高いアルコールは巧妙な作戦である。
レバノンの商人ではないが、「中東は商才に長けているのかもしれない、地中海沿岸をもっと旅行してビールの値段の調査が必要だ」と思った次第である。
写真はそのヨルダンの代表的なビール、ペトラである。
2019/04/13