アラブの歴史で思い出したのがカタール航空の飛行経路の不自然さだった。今回のヨルダンのツアーはカタール航空を利用し、その首都、ドーハでアンマン行きに乗り継いだ。その乗継便で変な飛び方に気がついた。
ドーハからアンマンまで、ペルシャ湾を北に飛んで、クウェート付近からアラビア半島の上空に入り、サウジアラビアとイラクの国境に沿ってヨルダンに入った。サウジの上空を飛べばいくらか短距離なのに。
帰り、夜の便だったのでアンマンからドーハまでは見ていなかったが、ドーハから成田まではペルシャ湾の上を通り、アラブ首長国連邦の半島を避けていた。インドの上空を飛んだので、明らかに遠回りだった。ちなみに、成田からドーハまでは、中国、中央アジア、イラン経由だった。このため、不思議を感じなかった。
カタールとサウジが喧嘩していることは知っていた。何年前のことなのかは忘れていた。そこでネットで調べた。喧嘩の始まりは2017年5月とのこと。6月には国交断絶となり、ドバイとドーハの便がなくなった。かつて(2014年の年末)、イエメン(ソコトラ島)に行くのに、ドーハ経由、アラブ首長国連邦経由で入った。その経由ルートも、理論的に無理になったのだろう。そもそもイエメンには入れないが。はるか遠くの国になったものだ。
今もカタールとサウジは喧嘩している。中東付近ではサウジ、アラブ首長国連邦、バーレーン、エジプト、イエメンがカタールと断交しているそうだ。一方、カタールとトルコやイランとは密接になったらしい。
国交断絶により、サウジやアラブ首長国連邦は自国の領空をカタール航空が飛ぶことを許さなくなった。道理でと思う。
子供の多くの喧嘩はともかく、大人の喧嘩は怖い。国の喧嘩はなお怖い。領空を侵犯した航空機は撃ち落とされるのだろうか。国際便にはサウジやアラブ首長国連邦と関係を結んでいる国の乗客も多いから、そんなことはないのだろうが。
2019/04/30