スペインでの飲食は安かった。必需品の水だが、スペインの水道は飲めると聞いていたものの、旅行で腹を壊すと意味がない。スーパーで2リットルのミネラルウォーターを買っていたが、これが44セントだった。容器代と運賃だけで超えるのではと思ってしまう。
ポルトガルのアゾレス諸島のようにレストランのワインが水代わりに出てくることはない。多分、アゾレス諸島はツアー会社が料理を注文していたので、気前よくワインが出たのだろうが、それでもすごいことだ。
スペインの場合、スーパーで1本8ユーロも払えば、立派な産地認定のワインが手に入る。飲んでも「いける」。レストランでグラスワインを注文していたが、これが3ユーロ前後だった。
それも日本のレストランのように(安物のワインにもかかわらず)グラスにちびっと、飲みさしのように注ぐのではなく、どどっと注いでくれる。だから豪快に味わえる。
スペインにもビールがある。マドリードで一番良く出ているのがMohou(スペイン語はhを発音しないので、マオウ)という商標のビールである。スーパーで買うと冷えたのが1缶80円くらいだった。
スペイン人、昼間からアルコールを飲んでいるのが多い。それも歩道に広げられたテーブルで、優雅に食事をし、喋りながらである。さすがにワイン派はビール派よりも少ない。要するに、ビールは水代わりであろう。
スペインを歩いていると、仕事をするのは何のためかと考えさせられる。楽しむため、生活のためである。そうだとすれば、好きでもない仕事に打ち込むのは馬鹿げている。昼の食事くらい、ビールを美味しく飲むのは当然だと思っているのだろう。
ドイツ人が見聞きすれば怒るだろう。すでに怒っているかな。ヨーロッパの南と北に存在する意識と行動の差を痛感してしまった。
写真はスペインの「魔王ビール」である。少し甘口である。
2019/06/03