川北英隆のブログ

トレドでの夢を果たす

切符を予約した翌日、アトーチャ駅に向かった。アトーチャ駅とプラド美術館への駅との距離はあまりない。歩いても十分行ける。Renfe(スペイン国鉄)の改札は表通りよりも下にある。
Renfeの改札、マドリード郊外と中遠距離の改札が異なっている。トレドへはもちろん中遠距離の改札を通る。荷物検査があるので、区別はすぐにできる。
アトーチャの改札を通ると電光掲示に注意する。乗場(プラットフォーム)が発車の10分前くらいになって掲示される。プラットフォームは1階と2階に別れている。僕らが乗ったのは1階からだったので、2階がどうなっているのかは不明である。
電車がマドリードを離れると田園風景が広がる。オリーブ畑が目立つ。スペインが農業国であると理解できる。
トレドのRenfe駅は中心部(世界遺産になった旧市内)から少し離れている。切符を予約した時、窓口のお姉さんに「少し離れているから」というので旧市内に上がるエスカレーター手前までのバスをセットにするように言われたので、そうした。
ところが、当日、駅を降りても、その時に写真で確認したバス(観覧デッキ付き)がいない。5分ほど待っても来ないので、歩くことにした。10分ほどである。帰り、それらしきバスが駅で止まっているのを見た。多分、そんなにきっちりとは来ないのだろう。
トレドの旧市内は丘の上に展開している。階段でも上がれるし、駅から旧市内観光用のバスも出ている。今は(46年前と異なり)エスカレーターが旧市内の上部まで設置され、爺さん婆さんでも上がれるようになっている。
旧市内は坂が多い。今回は大聖堂の周囲を歩き、中をちらっと見た(信者用の裏門から内部に入ってしまったが、すぐに柵があって置くまで侵入できなかった)。
サント・トメ教会に入り、エル・グレコの絵を見た。この絵、46年前に少しだけ話をした高校の美術の先生が「この絵だけはぜひ見たい」と話したので、一緒に見に行った。当時は薄暗い教会の中に飾られていたが、今回は当時よりも明るくライトアップされていた。
レストランの外で昼飯を食べ、もう一度外でお茶(といってもビール)を飲み、トレドの路地歩きを楽しんだ。
記憶ではトレドは職人の町で、象嵌職人や革職人の店があったのだが、今はそれらの製品が土産物屋に並んでいるだけだった。観光地化していて少し残念だった。
来た道を駅に戻るのももったいないので、トレドから坂を下り、駅近くのアルカンタラ橋を渡った。トレドの南と東西はタホ川に囲まれていて、西にはサン・マルティン橋、東にはアルカンタラ橋が架けられている。トレドの入口としての要塞の意味がある。
実はこの橋(どちらの橋かは忘れたが)、46年前に渡ってみたかったのだが、時間がなかったので諦めた記憶がある。今回、そのささやかな夢を実現したことになる。
写真がアルカンタラ橋である。奥にトレド旧市内の建物が見える。
20190608アルカンタラ橋.JPG

2019/06/08


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