川北英隆のブログ

某国営郵政事業会社に思う

今日の9時、大手町の外れ、ある企業で打ち合わせがあった。まだ暑い最中、満員電車に乗るのが嫌なので、宿泊場所から歩いた。その途上、最近にしては珍しく、ぞろぞろと大手町の大きなビルへの出勤光景に出くわした。「どこや」というと、某国営郵政事業会社である。
同じビルの北側も日本を代表する大手企業が入っているのだが、「閑散としていた」との表現が適切なほどだった。その周辺のビルも大手町界隈、従業員が多いはずなのに、そんなに人が多くはなかった。以上から、某国営郵政事業会社だけが異様な光景だった。
国営企業(正確には准国営企業)といえども民間企業と始業時間を合わせていて、それの時間が9時なのだろう。「でもね」と思う。9時スタートだから9時に来るのが正解ではない。早く来てもいい。早く来てもいいことがないと思えば、遅く来てもいい。それが正解である。
いかに仕事を効率的に仕上げるのかを個々人で考えるべきである。経営者としても、この点を推奨すべきである。ということで、「某国営郵政事業会社は原則としてのルールは守るが、それ以上でも以下でもない」というスタンスなのではないかと思えた。これでは義務的に仕事をする(正確には、仕事をしたふりをするのかな)で終わるのではなかろうか。
もう1つ思ったのは、従業員の数が多すぎるのではないかということである。地方では郵便配達人が不足しているはずである。それなのに、大手町という超一等地にある超巨大なビルに、これだけ多くの間接的な(現場の仕事をしない)人員をかかえている。それで会社全体としての規律が維持できるのかという疑問である。
もちろん、利益が十二分にあがっているのなら誰も文句ない。周知のように、そうではないのが問題である。こんなに大勢でもって、利益の上がらない仕事の、それも間接的なことしかしなくていいものだろう。国のためになるのだろうか。
完全国営時代の人員体制がそうだったのだろう。しかし、民営化に向けて一歩足を踏み出し、株式も上場し、国民から期待もされている。そんな期待レベルの状況と、今日見た現実とのギャップとは何なのか。
このギャップの原因とは、従前の監督官庁からの圧力が依然として強いことにあるのか。それとも、民営化に向けて足を踏み出してはみたものの、その音頭をとってきた社長らがボンクラなのか。
保険営業の問題を突き付けられた現実を見るにつけ、多分後者なのだろうと思ってしまう。というか、大手町に就業する超の付く人数の従業員の首を切らないまま、その超多額の給与を払うためには、「もっと稼げ」と現場(フロント)にいる従事者を鞭打つしかないと思えて仕方ない。
民間の銀行にしろ、保険会社にしろ、収益の低下に苦しんでいる。その時代に、国営だからというだけの理由で「左団扇」でいられずはずがない。社長を初めとする経営トップが、トップに就いた責任を全うしなければならない。

2019/09/27


トップへ戻る