東海道新幹線の社内アナウンス、改善されていない。むしろ変な英語でのアナウンスが調子に乗ってきている。関電と一緒で、官僚的な会社であるがため、何のためのアナウンスなのか、上層部の理解が不足しているのだろう。
放送の内容からするに、目的の1つは、大きな荷物を引きずった外人の降車をスムーズにさせることにあるようだ。停車駅ごとに「ドアの開くのは右側(左側)」とアナウンスして、降車の準備を促している。
もう1つは、外人向けの割安旅行券「ジャパンレール・パスでのぞみに乗れない」ことを周知させることにある。新幹線に東京から乗ると、新横浜までこの手のアナウンスをしている。違反者というか、そんなルールを知らない外人がかなりいて、車掌としてはそんなのを見つけるごとに「乗れない」と説明するのだが、外人には理解できない。それで困っているのだろうと推察する。
これらは重要なアナウンスである。それなら、下手くそな日本語的英語でアナウンスするのではなく、「ちゃんとした英語でアナウンスを流せや」とますます思ってしまう。多分、JR東海のエライさんが新幹線に乗るときには、社内で選抜された「英語の達人」がアナウンスするのだろう。元国鉄という会社の体質からして、そうに決まっている。
その新幹線のアナウンス、日本語としても変である。べらべらと「水を飲む時は喉に詰まらせないように」的な、どうでもいい注意事項を並べ立てるのはまだしも、先日笑ってしまったのは品川を出て終着の東京に向かった時だった。「次は終着駅の東京、お降りのお客様は支度をしてください」だって。「全員降りるに決まってるやろ、それとも降りなくて、冷房の効いた車内で昼寝してていいのかいな」と、本気にしてしまいそうになった。
そんなことがあり、京都への帰りの新幹線で事件があった。品川を出たときだったか、女性の車掌によるアナウンスが始まったのだが、途中でブチ、ブチ、プッツンと切れてしまった。「ねえちゃん、ぶっ倒れたのかな」と思ったのだが、しばらくして男の車掌がうろうろし始めた。何やら点検している。特定の車両の放送設備が壊れたようだ。
日本人にとって、車内放送がなくても大丈夫だし、そのほうが静かである。「うるさいの、何とかせえや」との思いが通じ、一時的に放送設備がダウンし、心地良い眠りに入ることができた。いずれにせよ、「新幹線での車内放送をなんとかして欲しい」と引き続き叫ぶことにしたい。
2019/10/09