川北英隆のブログ

今年の10月の天候は異常か

今年の10月、雨が多く、10月の秋晴れが少なかったと感じた。台風の襲来は過去にもあるので横に置いとくとして、データで今年の10月の状況を調べてみた。
気象庁が提供する過去のデータを使った。比較したのは、前の東京オリンピックが開催された1964年を含む1960年代、次の1970年代という具合に、10年間ずつの10月のデータである。
思いとしては、1964年のオリンピックの開会式が10月10日とされたことにあった。その日は「晴れの特異日」だった、つまり過去の傾向から「多分晴れるだろう」と予想できた。その10月10日はともかく、いずれにしても10月は秋晴れの日が多かった。そんな記憶があった。
気温、降水量、日照時間を調べた。地点としては、オリンピック会場となった(来年も会場となる)東京である。結果はどうだったのか。
10月の平均気温について。1960年代は17.0度、それが徐々に上昇し、2010年代は18.9度になった。1964年は17.3度、今年(2019年)は19.4度だった。過去に20度以上の年があるから、今年がきわめて高いとは言えないものの、前のオリンピックの年と比べて2度上昇している。
10月の降水量について。1960年代は174.0ミリである。これは2000年以降に大きく上昇し、2010年代は258.6ミリになった。降水量の多さは、台風が東京に襲来するのかどうかによるのだろうが、2010年代は月間500ミリを超える年が2回もあった。なお、今年はそのうちの1回である。かつて、こんな10年間はなかった。
10月の日照時間について。1960年代は1日平均4.45時間である。10月の平均的な日の出から日の入りまでの時間は11時間位である。その半分弱程度の時間、太陽が差していた。
この日照時間は減ってきているようで、2010年代は4.10時間になった。今年は3.6時間だった。今年よりもっと低い年もあるが、4時間を割る年を数えると、2000年代が4回、2010年代が5回と、年々多くなっている。ちなみに、1960年代は4時間を割る年は2回だった。1980年代はゼロ回である。やはり、かつては晴れた日が多かったようである。
以上から、天候が少しずつ変化し、「10月は秋晴れ」といかなくなっているのが分かる。来年の東京オリンピック、10月にする理由がなかったようだが、かといって8月は酷すぎるだろう。主催者は貴賓席で見るのだろうから、暑かろうが雨が降ろうが、「そんなの関係ない」か。

2019/11/04


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