台湾は半導体関係の生産で有名である。半導体分野でのファブレス企業(工場を持たない企業)のため、その受託生産を行う企業(ファウンドリ)で有名だから、キャッシュレスがどの程度進んでいるのか興味があった。結論は、現金がないと生活できない。
台湾、事前の予想ではキャッシュレスが相当程度進んでいるだろうと思っていた。とはいえ、夜市などの屋台では現金払いだった記憶があるので、多少の両替が必要だろうと思い、空港で1万円だけ元に交換しておいた。以前の使い残しもあったから、悠遊カードで1000元札を使ったものの、安心して台北市内に入った。
台北市内のホテルに着いたのは夕方だった。チェックインし、近くの中華の店で軽く食べようと思った。ネットで見つけたすぐ近くの店に入ろうと思ったが、行列ができていた。「ええっ」と思っていると、行列を整理している店員が日本語で話しかけてきた。聞くと40分は待つらしい。そこまで待つ気もないから、「次の機会に」と、他の店を探した。
見つけたのは山西料理の店で、多少高級そうだった。まだ時間が早かったようで、テーブルに空きがあったので入った。料理の内容は別の機会に譲るとして、その店で適当に飲み食いし、支払いになった。カードで払おうとすると、「現金のみ」とのこと。仕方ないので1000元札2枚を使ってしまった。この結果、1000元札が手元から消えてしまった。
実は、2日後にリベンジのため、最初に見つけた行列のできる店に入ったのだが、繁盛しているのに現金払いだった。
もう1軒、これも流行っている鴨(ガチョウ?)肉の店に入ったのだが、ここも現金払いだった。大きな小銭入れをかき回して100元札の釣り銭をもらおうとしていたら、レジの姉ちゃんが「小銭を札に替えてやる」という。半分は親切、もう半分は釣り銭の確保だったと思う。
ということで、空港の両替では現地通貨が心もとなくなった。日曜日にかかったこともあり、レートの悪いホテルで両替する羽目になってしまった。
もちろんクレジットカードを使える店も多い。スーパーのレジでは、QRコードで支払おうとして、スマホをもたもたいじっているオバちゃんにも出会った。悠遊カードが、日本でのスイカやイコカみたいなものであることも書いた。
平均すれば台湾のキャッシュレスの進展度は日本並みかもしれない。日本が遅れていると卑下する必要に乏しいだろう。ということで、小規模店舗向けにQRコードでの支払い(何ちゃらペイ)を普及させようという試みは、やはり何かの陰謀のような気がしてしまう。
写真は、小銭を100元札に替えてくれた店である。
2019/11/20