今年の春以降、低山ばかりを歩いてきた。その締めくくりではないが、大晦日に石清水八幡宮の最高峰、鳩ヶ峰を目指した。この著名な神社を訪れたことがなかったので、お参りの後、ついでに頂上をということかも。
最寄り駅は京阪の石清水八幡宮駅である。京都から見て淀駅の次なのだが、その1駅の間に淀川、木津川を渡るため、はるばる旅した気分になる。京阪の鉄橋は、宇治川、木津川、そして桂川の3川が合流して淀川となる地点の、すぐ上流部に架かっている。
石清水を含む山塊とその北側の天王山は淀川によって分断されている。もっとも、これは水の側から見た表現である。山の側から表現すると、京都盆地を流れる水にとって、石清水と天王山の隙間は唯一の出口である。
淀にはかつて城があった。京都と大阪を結ぶ水運にとって重要な位置にあったから、淀に城が築かれたのだろう。石清水の対岸の大山崎付近では、本能寺の変の後、明智光秀と羽柴秀吉が戦っている。有名な天王山の合戦である。大阪方面から京への道がほぼ必然的にこの地を通るから。今でも京阪、阪急、JR(在来線と新幹線)が通っている。
以上はともかく、石清水八幡宮駅の改札を出ると右手にケーブルカーの駅がある。歩くには左手、商店街の方に向かう。駅前の広場を右手に折れると一の鳥居への参道となる。鳥居をくぐり、社務所を抜ける。狭い平地には正月向けに準備された露天が並んでいる。その先に二の鳥居がある。
ここから石段になる。表参道と裏参道が分かれる。裏参道には「下り専用」との表示がある。表参道を登り、平らな部分に着くと三の鳥居である。鳥居の奥に本殿がある。
お参りを済ませ、本殿の外まで戻り、右手へと下る道をとる。境内の外縁部である。
エジソン記念碑がある。「何でエジソンや」というと、エジソンがこの八幡の地の竹でフィラメントを作り、白熱電灯を実用化したからだとか。そういえばと、子供の頃に読んだ電気違う伝記を思い出した。
車道が石清水の西側から上がってきているので、それをしばらく歩く。竹藪の中を過ぎると、右手がリクレーションセンターになる。その一番先がセンターの門の入口である。その門に向かって登ると、手前に登山道が付けられている。「こもれびルート」だとか。
金網に囲まれた、動物園の動物気分になれそうな道である。コンクリートの階段を登ると鳩ヶ峰の頂上部に着く。
頂上には三角点がある。142.4メートル。その横に「国分寺跡」の石碑も。戦国時代の前から、この地が要衝だったとわかる。
下りはそのまま北に向かう。「こもれびルート」の続きである。雑木林の中の道になり、動物園の動物気分から開放される。整備された道である。下りが急になり、ケーブルカー用の橋を見ながらお墓の横を通り、神応寺の境内に下りる。
山門をくぐり、少し歩くと一の鳥居の横に出る。迷いたくなければ、反対ルートから鳩ヶ峰を目指すほうがいいかもしれない。
写真は鳩ヶ峰の山頂である。別名、石清水の山塊は男山と呼ばれる。男らしく(差別用語かな)、それでいて鳩のように(ほんまかいなとは思うが)平和的で。来年がそんな年になってほしいと思った。
2019/12/31