年末、日本株に関する日経の記事を「誇大」と書いたところ、その担当記者からの声が間接的に届いた。記事の本当の主旨は、国際分散投資を勧める、その中で日本株も淡々と持てばいい、株価が下がった時(PBRが低下した時)に投資を続けるのがプラスだとのこと。
僕自身、株価が下落した時、とくにリーマンショックのように異常に株式が売られた時こそ、多くの投資家とは逆に動き、株式を買うのが大成功につながるとの信念を持っている。
言うは易く、行うは難しなのだが。その証拠に、リーマンショックの直後、あるコラムに「株式買いの絶好のチャンス到来」と書いたのだが、実際に僕が株式を買ったのは株式市場の底を見極めてからだったことを白状しておく。そこまでのショックを予想できなかったために現金のポジションが少なく、大きく動けなかったこともある。
ようやく買ったのは日本株ではなく、アメリカ株、それも多くは著名な企業である。その後、半値になったのもあれば、10倍になったのもある。いずれも業績を反映した株価形成である。リーマンショック後、世界経済が激動を続けている証拠でもある。
半値になったのは、その企業の名前に惚れすぎたのかなと反省している。激動に耐えられなかった企業でもある。時代の流れを甘く見すぎたのか、見誤ったのかもしれない。
アメリカ市場は日本と異なりダイナミックである。だから好きである。日本株への投資が駄目だと主張するつもりはない。日本企業に頑張ってもらわないと、日本の国土が外人に占拠されかねない。
でも、日本企業のすべてが買えるとは毛頭思っていない。買える企業、買えない企業(むしろ売るべき企業)を冷静に選別しないといけない。少なくとも、買えない企業、買ってはいけない企業をはね除けるのは比較的簡単だろう。
残ったのは「買ってもいいかもしれない企業」である。それらの企業群の中から、製品やサービスの体験などに基づき「これがええやん」と判断したのを買えばいい。その企業の株が市場全体の動きに流され、売られ、安値になれば、年末の日経の記事ではないが、それこそ絶好の買いチャンス到来である。
2020/01/02