蒲郡の低山歩き、絶対に逃したくないのが桑谷山だった。桑谷山は周辺の山の最高峰ではないものの(とはいえ、どれもこれもドングリの背比べなものの)、一等三角点が置かれており、これが他の山との圧倒的な差である。
桑谷山にどう登ればいいのか。桑谷とは、この山の北側の集落の名である。本来、その桑谷町から登るのが筋というものだが、交通の便が悪いと思った。後で調べたところ、名鉄の名古屋本線の駅があり、歩けそうだったが。
今回は蒲郡駅で降りた。駅は高架になっている。ホームから下りると南北に出口がある。今回は北口に出て、駅で待っているタクシーに乗った。
運ちゃんに「坂本の外れの勝善寺の登り口まで」と告げたが、「坂本はわかるが、勝善寺がわからない」らしい。仕方ないのでGPSを見ながら登り口と思しき所で降ろしてもらった。1950円。
勝善寺、グーグルマップに名前がある。地形図では蒲郡の北に坂本町があり、その北側に寺の印がある。その寺である。
勝善寺の南に砂防ダム(上深山川砂防ダム)があり、さらにその南がタクシーで降りた登り口である。軽トラなら入れる道が砂防ダムへと上がっている。
地形図のとおり、砂防ダムの東側から上がり、ダムの池を巻くように南に下ると、道路の横の切通に階段が付けられている。その上に、寺への参道(石段)が続いている。ネットによると、参道はずっと下まで続いていたのだが、砂防ダムの工事によって壊されたらしい。
その残された参道も痛みが激しい。そもそもかなりの角度で石段が付けられているから、傷んだ参道を登るには時々手を使うほどである。石段には雲母成分の多い変成岩が使われていて、キラキラ輝いている。
竹藪と灌木の中の石段を上りきると車道に出る。タクシーで来た道路をそのまま上がっても同じ箇所に出る。
その道路部分のすぐ上が勝善寺である。ここだけ石段が整備されている。観音霊場十七番札所だとか書いてあるが、無人のような寺だった。まず、それにお参りしたのだが、賽銭箱がなかった。ラッキーなのかアンラッキーなのか。
写真が砂防ダムの上、参道への登り口である。
2020/02/14