先日、スポーツニュースを見ていて唖然とした。日経新聞のスポーツ欄にあった東京マラソンである。「大迫が日本新 五輪へ前進」とある。「すごかったね」と思いながら、記事を少し読んで理解不能となった。「大迫は4位、じゃあ3位までは誰か」である。
記事を読むと1位はわかった。エチオピアのレゲセ、2時間4分15秒とある。大迫のタイムは2時間5分29秒である。この間に2人、名無しが入っている。
新聞だから、「名前とタイムくらい書いといたれや」と思う。今回の東京大会は気象条件が良かったとのこと。それも手伝って日本新記録が出たのだが、世界はもっと先にある。
ネットによると、非公認レースながら、ケニアの選手が2時間切り(サブ2)を成功させている。もはや2時間5分を切らないと、国際レースでは優勝できなくなりつつある。一時世界のトップクラスにあった日本のマラソン、今やオリンピックに参加するだけの競技になってしまったのかもしれない。
世界各国から参加した選手がトップになるのは当然、日本人の興味は、日本人のトップが誰かになってしまっている。日本人が全体の4位であっても、10位であっても、トップはトップとして報道してもらえる。トップの日本人、嬉しいような悲しいような。
思うに、いろんな場面でこういう「まるドメ化」が起きている。一例が、かつては世間を席巻した日本の重厚長大企業、製鉄や造船がその代表なのだが、今や見る影もない。
重厚長大企業が再び世界に躍進することは多分ないだろう。その代わりの分野で、世界トップの日本企業が登場してくれればそれでいい。
一方のマラソンは好きな競技だっただけに残念である。僕も箱根駅伝で喜ぶ「まるドメ」人間になろうかな。と思って少し今年の箱根駅伝を振り返ると、ここでも外人選手が活躍しているか。
2020/03/03