天神山の最寄り駅は近鉄の長谷寺駅である。駅から谷に下り、長谷寺の門前町を通る。立派な家が多いものの、寂れた感は拭えない。右手に與喜天満神社への橋と表参道の石段を見送り、さらに左手に長谷寺を見送り、その先の橋を渡って與喜天満神社の裏参道に入る。
乱れた石段を登り終えると平らになる。そのすぐ左手が天神山への登山道である。入口の枯れ木にテープが何本も貼ってあった。
登山道といっても最初は踏み跡である。篠笹を越し、照葉樹の多い林の中に入る。地形図では與喜天満神社の西横から山に入り、北側に張り出している尾根に向かって直登することになる。斜面は急である。最初はテープが頼りになる。
最近の雨のせいか、それとも小さな谷になっているせいか、土の表面が泥状だった。そんな斜面を急登するので、しばらく大変だったが、少し登ると道がはっきりとしてきて、しかもジグザグに斜面を登るようになるので、多少は楽になる。途中、大きな石を祀った箇所がある。早くもミツバツツジが1株、咲いていた。
登り始めて20分程度で尾根に出る。東に向かい、もう一度急登すると、天神山から南に伸びる尾根に出る。着いた地点は小さなピークになっている。尾根の右側は植林、左側が与喜山暖帯林である。桜の木が目立つ。地形図にある細い破線は天然記念物になっている与喜山暖帯林の境界を示しているようだ。
尾根に沿い、小さなピークから一度下り、もう一度次の小ピークを越すと天神山への最後の登りになる。頂上へは登り口から1時間かかった。展望はない。
帰りは往路を戻った。登り口へ40分程度だった。自然豊かな林の中の、予想外に楽しい山歩きだった。下山し、せっかくだからというので與喜天満神社に参った。
上の写真は初瀬の町から見た天神山である。3つあるコブの左が頂上、その右側の2つのコブが小ピークである。
下の写真は与喜の照葉樹である。
2020/03/19