喜撰山登山口から花立ノ峰を目指すため、池ノ尾を経由して曽束大橋に出るルートをたどった。池ノ尾かはら車道を離れ、峠を越え、瀬田川まで下る。地形図では点線路になっている。この区間がある意味、今回のハイライトになるとは、コロナさえ知らなかっただろう。
そもそも曽束大橋を目指したのは、そこが花立ノ峰への登り口と思えたからである。
この池ノ尾経由のルートを選んだ理由は2つある。
1つは消極的な理由であり、池ノ尾を経由しないと相当の遠回りになり、歩き疲れてしまうかもしれないからだった。
もう1つは積極的な理由で(楽観視するための理由だったかな)、池ノ尾から下って瀬田川まで出ると、そこからは地形図の実線路になり、すんなり曽束大橋に出られそうだったからである。
もう1つ、喜撰山登山口で少し思案したことがある。池ノ尾から瀬田川に下りる道が2本あり、どちらを選択すべきか。1つは谷沿いの道、もう1つは尾根道になっている。
これらの瀬田川への道だが、車社会、老齢化社会となった現在、あまり使われていない可能性が高い。その場合、谷沿いの道は水の流れで荒れやすい。経験上、そう判断し、尾根沿いを選ぶことにした。
池ノ尾までは車道を歩く。喜撰山ダムの先端近くを橋で渡り、ダムの東側の峠へと登る。峠で二尾方面からの道を合わせる。ここから北へ二尾方面に歩けば、距離があるものの、車道を使って曽束大橋に行ける。今回は池ノ尾に向かうので、南へと歩いた。
池ノ尾の住人は二尾方面の道を使い、買い物や出荷に出掛けるのだろう、この池ノ尾への道では軽四輪を何台か見かけた。
大将軍神社の脇を通り、池ノ尾の村に入った。最初の左手の分岐(谷沿いの道になるはず)を見送り、次の左手の分岐に出た。その分岐からの道は地形図のとおり、村の東側を囲む山に向かっているようだったが、入口が柵で閉じられていた。
「ええっ、私有地」と思い、少し観察すると、一箇所だけ柵の色が違っている。「シカ避け」だと思い、近づいた。確かに柵と柵との間に棒が1本通してあり、それで閉じられている。
そのシカ避けを通り抜け、植林の中を登った。すぐに峠を越える。下り始めると、懸念していたとおり、ほとんど使われていなかった。
かつては瀬田川を挟んだ向かいの村との往来路だったのだろう。尾根に沿いながら、広葉樹林の中、広い道がジグザグに付けられている。盛んに使われていた証拠に、道の一部が溝状になっている。
写真は峠からの下り道である。広いものの、落ち葉は当然のこと、その他の障害物が多い。
2020/04/11