昨日、長期投資のための株価指数作成に関するロジックとプロセスについて、特許に関する書類を特許庁に提出した。
この半年間近く、特許に関して大学とやり取りして申請の手順を確認しつつ、書類の作成を特許事務所に依頼していた。その書類が3月末に完成した。これでステージが1段上がった。
以前にも特許を共同で取得したことがある。ちょうどその特許の登録更新時期を迎えていたため、その書類も来ていた。「ややこしいやっちゃ」と思うし、申請や更新には金銭的な負担が伴う。
それはさておき、「長期投資のための株価指数」とはどういうものか。以前から分析してきているように(その成果は共編著の著書に公表している)、長期投資の観点から東証株価指数(TOPIX)を上回るポートファリオが比較的容易に作れる。
その上で、このTOPIXを上回るポートファリオをベースに株価指数を作ってみたらどうかというアイデアがあった。年金の資産運用、個人の老後の財産形成に役立つのではないかと思った。
株価指数にするには技術的な観点から作り込まないといけないことがいろいろとあるのだが、基本は成長性や収益力の数値的な観点から、100社とか200社の上場企業を選別することにある。業績や財務体質に基づいて企業を選びだしたところ、それらの企業によるポートファリオのパフォーマンスがTOPIXを明らかに上回た。
東証はTOPIXを作り直そうとしている。金融審議会において、より良いTOPIXを作る必要性が謳われたからである。
その構想と、今回の長期投資のための株価指数とは異なっている。今回の株価指数が、まさに「長期投資のため」であり、日々の市場の価格水準を示すとの役割も担っているTOPIXとは、指数の趣旨が異なるからである。
とはいえ、今のTOPIX、つまり東証一部上場2000社以上のすべてポートファリオに組み入れたのでは、質の低下を免れないのも確かである。
株価指数が投資対象となり(上場投資信託=ETFがその代表)、株価指数そのもののポートフォリオとしての質を各国と競争する時代になった。今回の特許が、その株価指数の質の競争に一石を投じることになれば本望だと思っている。
2020/04/01