坂下峠の標高は645メートル程度。地形図によると大原ダムのバス停は271メートル、当日歩いた山は700メートル台だから、坂下峠まで登ると「今日の高低差は終わったようなもの」なのだが、実は峠からが本番、当日の高低差を計算すると1300メートルあった。
峠から南に向けて登る。灌木と笹の気持ちのいい道である。峠付近はホトトギスが多かった。ウグイスも鳴き、初夏の山を満喫しながらの登りだった。大きなヘビ(マムシではない)が、昼寝を邪魔されたからか、山道の横から茂みに動いた。
登り着いた最初のピークは730メートル、左手に長嶺(多分、そう書かれていた)の分岐を分ける。その先で下りになるのだが、岩場が出てくる。大きく稜線から南側に下り、岩場を渡り、再度稜線に登る。この箇所、唐木のキレットと呼ばれているらしい。稜線を登り、唐木山(730メートル)を越す。唐木山ではシャクナゲの花が残っていた。
ここまで峠から25分だったが、持ってきた水を相当飲んでしまい、疲れが溜まってきた。
唐木山から先は小さなアップダウンの多い稜線が続く。地形図では同じ標高の等高線が細長く書かれている稜線も、そのちょっとした膨らみの部分に小さなピークがある。それを登山道は忠実に越えていく。数えなかったが(そんな気力もなかった)、痩せた部分が何箇所もあり、花崗岩の細かな石ころの多い滑りやすい尾根である。下りは、木の幹や根っこを利用しながら慎重に歩く。自然林に代わり、桧の植林が目立ち始める。
最後に高度が上がり、那須ヶ原山の一角に着く。頂上は縦走路から少し西(右手)に入った部分である。唐木山から1時間かかってしまった。
神社(那須ヶ原神社)の社があり、その裏手(縦走路からの分岐側)に三角点がある。正確には799.6メートル、800メートルに少し足りない。
那須ヶ原山からは木の間から北側(甲賀)から東側(縦走したきた付近)の展望がある。
上の写真は唐木のキレット付近。下の写真は高畑山から見た那須ヶ原山(中央奥)と溝干山(手前、右)である。
2020/06/05