三国岳から岩場を縫うように大きく下り、登り返すと忍者岳と呼ばれるピークに着く。720メートルあり、那須ヶ原山と油日岳の間で一番高い。その先もアップダウンが続く。
さらに2つピークを越えると油日神社(油の神様)への下山道を分ける。地形図では油日岳から神社へ直接下るようになっているが、持参したガイドブックには油日岳の手前から下るようになっている。この分岐まで戻って下ることに決める。
分岐から少し登ると油日岳の山頂だった。油日神社の奥社の小さな祠がある。那須ヶ原山から三国岳まで75分、三国岳から油日岳まで35分かかってしまった。水なしでふらふらだったため、コースタイムよりも余計にかかったと思う。
油日岳で予備に残しておいた水を飲み干し、祠には無事を守ってもらったお賽銭を入れた。
分岐まで戻り、下山した。10分ほど下ると、沢の源頭の水場がある。ガイドブックに「最後の水場」とある箇所である。岩場からポタポタと水が流れていた。ありがたくそれをいただき、さらに下った。
道は沢と交差するようになる。最初の交差の地点で沢が流れ始めていた。そこでペットボトルに満杯、何とか水を汲むことができた。
さらに沢に沿って少し下ると、新しい紙が張ってあった。読むと、少し下で林道が崩れているとかで、迂回路を歩くようにとの指示だった。標高500メートル付近だと思う。「どうしようか」少し迷ったが、無理をせず、指示に従って迂回路を歩くことにした。
左岸を高度差40メートルは登ったか、迂回路は油日岳から北に伸びる尾根の上に出た。下を見ると、確かに沢の右岸が崩れ落ちているようだった。迂回路には新しいテープが木に巻いてあり、整備されている。今までの林道が完全にダメになったのだと思う。
標高430メートル付近で尾根から沢に下り、迂回が終わった。林道に下り立った。
この迂回の登りと下りだが、途中で水分補給をしたおかげで元気だった。水分補給していなければ、完全にグロッキーになったかもしれない。
後は長い林道を歩くだけだった。最初だけ舗装されていたが、その後は地道である。油日神社の南側を通り、鳥居だけを拝んだ。付近から油日岳が立派に見える。その山頂から朝日が昇り、油の炎のように見えたのだろうか。
さらに歩き、草津線の油日駅に着いた。17時少し過ぎだった。油日岳から65分だった。
駅の手前で、最近では滅多にないビールの自動販売機があった。1本仕入れ、駅で飲んだ。
油日駅は、草津線の始発、柘植駅の隣りである。ビールを飲み始めた頃に「柘植を出ました」との構内アナウンスがあり、飲み終わった頃に電車が来た。普通列車ながら、東海道線に乗り入れて終点が京都だというので、そのままゆっくりと座って帰った。
上の写真は油日岳の山頂である。
下の写真は油日神社付近からの油日岳である。形は京都盆地からの愛宕山に似ている。愛宕山もやはり火の神様である。こちらは京都の西側に位置するが。
2020/06/05