昨日の日経新聞、株式欄の見出しを眺めていると、あるグラフの表題に「ほんまかいな」と思ってしまった。「日経平均は底堅さが目立つ」とある。
日経新聞のグラフでは、アメリカのNYダウ平均とヨーロッパの株価とが、今年5/1を基準として(つまり5/1=100として)比較されていた。それによると、日経平均がほぼ常にアメリカやヨーロッパを上回っている。
そもそも何で5/1が基準なのか不明なのだが、たまたま株価が反発上昇していた局面であり、月初だから区切りが良かったのかも。この点はいいとしておこう。
「でもね、下落局面も含めないといけない」、「大きく下落した株が大きく上昇することもあるし」と、計算し直してみた。
コロナの問題が表面化せず、世界の株価が高値圏にあった昨年末を100とし、計算した結果(6/19の水準)は次のとおりである。
東証株価指数(TOPIX)・・・92.0
日経平均(日経225)・・・95.0
米・NYダウ平均 ・・・90.9
米・S&P500・・・96.2
米・NASDAQ総合・・・111.2
独・DAX・・・93.1
これによれば、日本株が欧米に比べて良好なわけではない。TOPIXとの比較から、日経平均の中の特定の企業が良かっただけと考えられる。アメリカ企業の場合、NYダウ平均に採用されている企業がたまたま良くなかっただけかもしれない。後者の証拠は、アメリカのNASDAQである。バブル的ながら、すでに高値をはるかに更新している。
もう1時点、アメリカ株がコロナ禍の拡大懸念で急落する直前、2/19を100として計算してみた。次の結果となる。
東証株価指数(TOPIX)・・・94.7
日経平均(日経225)・・・96.1
米・NYダウ平均・・・88.2
米・S&P500・・・91.5
米・NASDAQ総合・・・101.3
独・DAX・・・89.4
日本株はその前から下落基調にあったため、アメリカ株が相対的に下に来る。独も同じである。ただ、NASDAQだけは当時の高値超えにある。
株式投資の場合、まずはどの企業かを考えるべきである。次に、新聞情報を鵜呑みにしてはいけない。日経新聞の傾向として、「良くない情報」が少なく、「持ち上げる記事」が多い。株式に投じるのは自分自身の資金であるから、いろんな情報を収集して判断すべきである。個人であれば、それも長期投資の視点で。
2020/06/21