朝熊ヶ岳への道は3つある。伊勢神宮の内宮境内(端?)から上がる道、朝熊から上る道、そして、伊勢志摩スカイラインである。今回は朝熊から歩き、朝熊に戻った。帰り、伊勢神宮まで歩こうと思わなくもなかったが、たらたらした長い道なので遠慮しておいた。
京都からは近鉄を使う。駅探で調べると「名古屋まで新幹線で」というのも出てくるが、さすがに値段が高い。それに多少の時間短縮になる程度だろう(真剣に見ていない)。
とはいえ、コロナの時期、朝早くに伊勢に着くには多少の工夫が必要だった。通勤や通学に使われている電車にはなるべく乗りたくなかったため、特急(近鉄は有料)にしたかったのだが、6時台には京都発の特急がない。
そこで、西大寺まで急行で出て、そこで橿原神宮前行き特急に乗り、八木で賢島行き特急に乗り換えて五十鈴川まで出た。五十鈴川の隣駅、朝熊へは普通電車を使う。京都から3時間弱かかった。
本数は多くないが、直通の特急なら、朝熊の少し先、鳥羽まで、京都から2時間ちょい(「ちょい」ってネコかいな)で行ける。乗り換え時間のロスが大きいわけだ。
朝熊駅は無人だった。運転手に切符を渡し、階段を下りると駅の出入り口である。出入用のタッチパネルはある。右に折れ、高架の線路をくぐり、南西に向けて歩く。比較的大きな道に突き当たるが、そこを右に折れ、南南西に歩けばいい。道標(朝熊岳道の表示)があるので間違わないだろう。
後は一本道に近い。人家を抜け、登山者用の駐車場を左に分けると元参道だった登山道に入る。植林された杉の目立つ林の中の道である。所々岩が露出していて滑るのを注意する。脇道が何箇所かあるが、かつての参道である。整備されている証拠だろう。
道の横には「丁目の表示」と石仏がある。22丁まで続く。道が整備されているため、22全部が揃っているわけではない。
道の半ば当たりか、もう少し手前だろう、ケーブルカーの軌道跡の上を橋で渡る。このケーブルカー、1925年に営業を開始したのだが、第2次世界大戦中に不要不急とみなされ(不要不急、最近も聞いたな)、1944年に廃止、レールなどの鉄類が戦争のために供出されたとか。日本の守護神、伊勢神宮をさらに守る山なのに、それを不要不急とみなすなんて。罰が当たったのだろう。
その後、道の勾配が増すが、しばらく頑張ればいいだけ、21丁の朝熊峠に着く。ここで宇治岳道と合流する。舗装になる。この峠には「とうふ屋旅館」があり、賑わったらしいが、ケーブルカーの廃止とともに寂れ、焼けたとある。
後は舗装道を西に向かって登り、頂上部を巻き終わると、やはり舗装道の分岐がある。そこを左に折れて一登りするとアンテナと社務所のある朝熊ヶ岳の山頂(555メートル)に出る。北側、伊勢湾の大きな眺望がある。残念ながら、ここには三角点がない。
上の写真は登山道と丁目の印である。
下は朝熊ヶ岳である。左端のアンテナの見える部分が最高点となる。
2020/06/23