川北英隆のブログ

朝熊ヶ岳一等三角点を求めて

と書くほど大袈裟なものでも、難しいものでもない。単なる趣味というか、オタクっぽいだけのことなのだが、朝熊ヶ岳に登ったのなら、一等三角点に到達しなければならない(?)。
金剛證寺から一等三角点に行くには、来た道を登る。経塚山には寄らず、真っ直ぐ朝熊ヶ岳頂上への分岐まで戻った。地道ながら、広くいいい。かつての参詣道だったのだろう。
さらに分岐から朝熊峠まで戻った。朝熊峠は先に書いたように、朝熊岳道の分岐点である。
峠(かつての旅館跡)は展望台となっている。朝方通った時には霞んでいて伊勢湾がぼんやり見える程度だったのだが、戻ってきた時には天気が回復していて、海と平地がよく見えた。
三角点へは舗装道路を尾根伝いに西へ歩く。宇治岳道と呼ばれた参拝道である。戦前と戦後のわずかな期間、この岳道をバスが通っていたという。内宮から金剛證寺へと参拝客を乗せたのである。現在、宇治岳道は歩くだけの道として残っている。車道は伊勢志摩スカイラインに移った。
この宇治岳道、旅館のあった峠から少し下り気味、下りきった所が本当の峠である。左手にスカイラインへの車道がある。朝熊ヶ岳頂上にはアンテナがあるので、そのために車道が整備されているのだろう。今回、車をまったく見なかったが。
本当の峠から上り気味になる。舗装も荒れてくる。車道としてほとんど使われていないからだろう。と、すぐ先に軽四が見え、人家があった。オジさんが家の手入れをしている。犬も何匹かいて、数回吠え声がした。人家は茶店になっているようで、たくさんのビールの空き缶が袋の中にまとめられていた。外出自粛が解けたので、伊勢神宮からのハイキング客相手に商売を再開したのか。
その人家の先に広場があり、電波関係だろうか、しっかりした建物があった。
地形図では三角点はこの付近のはずだと探したところ、広場の北東の端に小高い箇所があり、下から天測点(コンクリート製の土台)が見えた。登ると、やはり目指す三角点(478メートル)があった。雑木林の中の、展望のない三角点だった。
帰ってから調べたところ、この三角点のある箇所の下がケーブルカーの終点だったらしい。思い出すと、先の茶店の右横にもう1本、荒れた道が付いていた。それが駅へと続いていたようだ。グーグルマップの写真では駅の跡らしい物が見えるし、地形図にも建物の印がある。だから三角点の付近は植林されずに雑木林が残っているのかもしれない。
とすれば、茶店はケーブルカーの客を相手とするに一等地だった。ひょっとして朝熊峠にあったという旅館の末裔か関係者かもしれない。
写真は朝熊ヶ岳の一等三角点である。
20200624朝熊ヶ岳一等三角点.jpg

2020/06/24


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